栃木商工会議所(荒金憲一会頭・ケーブルテレビ)が特許庁「地域団体商標」に登録出願していた栃木市出流(いずる)町の名物「出流そば」が、このほど商標登録された。出流そばは、江戸時代に古刹・出流山満願寺の門前で、宿泊施設などが参詣者や猟師などに提供し名物となったもの。大きなざるに1升(4~5人前)のそばが盛られた「盆ざるそば」が特徴で、これを皆で食べるのが醍醐味だという。出流山満願寺奥の院の鍾乳洞から湧き出す弱アルカリ水を使用して手打ちしたそばは喉越しがよく、コシと甘みが際立っている。現在は8店舗が出流そばを提供。盆ざるのスタイルで、各店が「黒そば」(田舎そば)や「白そば」(二八そば)など独自のメニューを提供し、地元や近県からそば目当てに多くの観光客が訪れる。
このそばをブランド化し、地域活性化につなげようと、2022年に同所とそば店などでつくる出流観光会、栃木県産業振興センターが協力して「地域団体商標」に登録出願、今年4月に登録が認められた。これを受け、同所などは、知的資産を生かした事業成長を支援する工業所有権情報・研修館(INPIT)の「加速的支援」プログラムを活用してブランド構築を推進。今後は、コンセプトやキャッチフレーズを打ち出すとともに、販促物の作成、イベントへの出展、県や市のふるさと納税への登録などの広報活動を展開し、出流そばの普及を図っていく方針だ。7月5日には荒金会頭や出流観光会のメンバーらが市役所を訪れ、大川秀子市長に地域団体商標登録を報告した。
記事提供: 日本商工会議所
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