日本商工会議所は10月4日、要望書「石破内閣に望む」を取りまとめた。同日、日商の小林健会頭は、日本経済団体連合会の十倉雅和会長、経済同友会の新浪剛史代表幹事と共に、石破茂首相を訪問。それぞれが各団体の要望書を手渡した。日商の小林会頭は、石破首相との会談で、「日本の人口の3分の2が中小企業でなりわいを立てている。中小企業の底上げが消費の底上げにつながる」と指摘。「中小企業が地方における産業インフラ、商業インフラを支えているため中小企業が活性化しないと地方創生は難しい」と強調した上で、「ぜひ二人三脚でやって行きたい」と述べ、商工会議所との連携を求めた。
要望では、わが国経済が停滞から成長への転換点を迎えているこの好機に、デフレマインドを完全に払拭し、自己変革によるイノベーションへの果敢な挑戦をすることで、持続的な「成長型経済」を実現することが急務であると指摘。実現に当たっては、経済の基礎体力である「潜在成長率の底上げ」が不可欠であると強調し、官民を挙げた設備投資の増加、労働力の確保、技術革新や省力化投資による生産性向上に取り組むことを要請している。
また、急激な人口減少に直面する地域経済の再生・活性化には、「地域の経済循環」を強く、太くするための取り組みが極めて重要との認識の下、地域の将来を担う稼ぐ産業の育成と、若者・女性をはじめとする人材を引き付ける良質な雇用の創出などを要望している。
これらの基本認識の下、緊急要望項目である「地震と豪雨災害に見舞われた能登半島地域の早期復旧・息長い復興支援」をはじめ、「持続的な成長を実現するための中小企業の稼ぐ力の強化」「地域の経済循環の強化と万博の効果を地域経済に波及させるための優先的な政策の後押し」「国民・企業を支える社会基盤の整備」「東日本大震災からの復興の完遂、福島の再生・創造的復興の推進」の各項目を柱として、新内閣に対して力強いリーダーシップと実行力による経済の構造改革への取り組みを求めた。
最新号を紙面で読める!