日本商工会議所は11月21日、武藤容治経済産業大臣との懇談会を都内で開催した。経済産業省の幹部23人と商工会議所関係者16人が懇談した。日商の小林健会頭は、第2次石破内閣の発足に歓迎の意を表するとともに、「〝政治の安定と政策の継続性〟が最も重要である」と指摘。政府が「成長型経済」への移行に向け実行してきた政策とその成果について触れ、「今が正念場であり、この流れを止めてはいけない」と強調し、これまでの政策の踏襲と力強い実行を求めた。
日商側は小林会頭はじめ、鳥井信吾副会頭(大阪・会頭)、嶋尾正副会頭(名古屋・会頭)、上野孝副会頭(横浜・会頭)、川崎博也副会頭(神戸・会頭)、福田勝之副会頭(新潟・会頭)、岩田圭剛副会頭(札幌・会頭)、池田晃治副会頭(広島・会頭)、谷川浩道副会頭(福岡・会頭)、藤﨑三郎助副会頭(仙台・会頭)、綾田裕次郎副会頭(高松・会頭)らが出席。経産省側は武藤大臣をはじめ、大串正樹副大臣、古賀友一郎副大臣、竹内真二政務官、加藤明良政務官らが参加した。
小林会頭は、新内閣で「地方創生」に力点を置くとしていることについて、「非常に心強く感じている」と期待を表明。「大都市圏以外の地域では、雇用の9割を中小企業が担っており、中小企業の活力強化が、地方創生、ひいてはわが国経済の持続的な成長に不可欠だ」と強調した。
最低賃金の政府目標設定については、「中小企業の賃上げは進めるべきだが、最低賃金はあくまでも労働者のセーフティネットであり、その引き上げは意味合いが異なる。支払い能力の実態を踏まえない引き上げは地方・中小企業に深刻な影響を及ぼしかねない」と懸念を表明し、政府への理解を強く求めた。
武藤大臣は、「今般の経済対策において、何よりも重要なことは、中小・中堅企業を中心に、物価高に負けない持続的・構造的な賃上げを実現するための環境を、いかに整備できるかということだ」と指摘。①下請法改正を含む価格転嫁の徹底など、取引適正化の推進②人手不足に悩む中小企業などの省力化・生産性向上支援③地域をけん引する中小・中堅企業への成長投資支援などを経済対策に盛り込み、賃上げ原資の確保を可能とするべく全力を尽くしていくと表明した。
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