独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)は12月26日、対日投資に関するデータや政策動向などを包括的に取りまとめた報告書「ジェトロ対日投資報告2024」を公表した。同報告書によると、23年末の対日直接投資残高は前年比9.3%増の50.5兆円(3506億米ドル)。初めて50兆円を超え、日本の実質GDPの約8.5%を占めるまでに伸長した。
23年末の対日直接投資残高(50.5兆円)を国別に見ると、米国が12.5兆円(構成比24.7%)と最多。次いで英国8.7兆円(同17.2%)、シンガポール5.3兆円(同10.4%)と続く。伸び率(前年比)では米国(23.2%増)、台湾(21.1%増)が大きかった。背景に、台湾の大手半導体メーカー台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県における第2工場建設や米半導体大手マイクロンテクノロジーによる広島工場への最新技術導入といった大型の対日投資案件がある。
23年の対日グリーンフィールド投資(工場や販路などを一から構築する投資)の件数は191件(前年比2.1%減)。投資元国別に見ると、米国が64件(前年比16.4%増)で最多。シンガポールが20件(同100%増)で2位となった。業種別ではソフトウエア(37件)、ビジネスサービス(31件)、金融サービス(26件)が上位を占める。23年1月~24年9月の主な対日グリーンフィールド投資案件ではTSMCなどによる半導体大型案件のほか、シンガポールや米国の企業によるデータセンター建設関連案件、シンガポールの企業による蓄電池関連の再生可能エネルギー案件なども見られた。23年の対日M&Aは、前年比6.4%減の147件だった。
また、23年の世界のグリーンフィールド投資額(国連貿易開発会議=UNCTAD発表)は前年比5.4%増の1兆3804億米ドルで、新興国・地域への投資はアジアを中心に好調だった。日本の投資受入額は前年の大幅な落ち込みからの反動で、前年比3倍超増加し308億米ドル、世界17位となっている。
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