日本商工会議所は4月26日、4月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を発表した。調査期間は4月11~17日。全国336商工会議所の会員企業1878社から回答を得た。
4月の全産業合計の業況DIは、マイナス16・7と、3月からプラス0・2ポイント改善した。都市部を中心に民間工事が堅調な建設業に加え、4月上旬の寒波の影響により例年に比べ花見期間が長くなり、客数が増加するなど、インバウンドを含めた春の好調な観光需要を取り込んだ宿泊・飲食業を中心とするサービス業の業況が改善した。他方、受注が減少した半導体や産業用機械、自動車関連の不振に加え、深刻な人手不足の影響拡大や根強い消費者の節約志向、原材料費の高止まりの影響を指摘する声は依然として多く、中小企業の景況感は足元でほぼ横ばいの動きとなっている。
ヒアリングした企業からは、「新卒・中途採用を予定していたが、新卒者は採用できず、中途採用者も予定人数には満たなかった。技術職が大幅に不足しており、受注を調整せざるを得ず、人手不足の影響は深刻」(管工事)、「原材料費の値上げの影響が深刻な中でも、人材確保のため、募集賃金のアップや社員の待遇改善を図っており、収益確保に苦戦」(調味料製造)、「配送依頼は多く売り上げは堅調な一方、ドライバー不足は深刻」(運送)といった人手不足の影響を訴える声が多く寄せられた。
先行きについては、先行き見通しDIがマイナス18・4(4月比マイナス1・7ポイント)と悪化を見込んでいる。改元を契機とする個人消費の拡大や10連休に伴う観光需要拡大への期待感がうかがえる。他方、人手不足の影響の深刻化や、原油価格を含む原材料費の上昇、コスト増加分の価格転嫁の遅れ、貿易摩擦の激化、世界経済の動向、消費増税の影響など不透明感が増す中、中小企業においては、先行きへの慎重な見方を崩していない。
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