草加商工会議所(埼玉県)は4月1日、新会館での業務を開始した。新会館は、旧会館の老朽化が進んだため昨年4月に建て替えを行い、今年3月に竣工(しゅんこう)した。災害時にも発電や一時避難の受け入れが可能な防災機能や車いすでも利用しやすいバリアフリーのトイレなどを設置。機能的で安全性が高い会館として、これまでと同様に、地域産業界を担う人々のよりどころとして草加地域の産業発展の拠点となるとともに、市民に開かれた場になることが期待されている。
新会館は「防災機能と地域交流機能を併せ持った、環境配慮型の新産業拠点」をコンセプト。3階建てで、開放的な吹き抜けのエントランスが特徴的なガラス張りのデザインとなっている。1階は事務室、相談ブースとなっており、受付窓口上部など3カ所にデジタルサイネージ(電子看板)を設置し、会員事業所の広告掲載などに活用する。
2階には会議室を三つ設置。各会議室の前には地場産業のせんべいや皮革、浴衣などのイラストが描かれたパネルが掲げられている。各部屋を仕切るパーティションを移動させれば大型会議室としても利用できる。また、LPガスを備蓄・供給できる設備を導入することで災害時にはガスを使って発電し、非常電源が使用できるほか、ガス空調により室温が保たれるため、避難者の受け入れ場所としても活用できる。
3階は会頭室や役員室のほか、貸事務所、事業の立ち上げや創業間もない企業を支援する「インキュベーション施設」を設置している。5月17日には、落成式を開催し、170人が参加した。
同所担当者は「新会館での業務開始を契機に、草加市内産業のさらなる発展に努めていきたい。紙面をご覧の皆様、お近くに来られた際は、ぜひお立ち寄りください」と述べた。