中小企業庁は4月25日、同日閣議決定された2025年版中小企業白書と小規模企業白書を公表した。
今年の中小企業白書は、円安・物価高の継続をはじめ、中小企業・小規模事業者が直面する状況は依然厳しいものの、「地域経済・日本経済全体の成長の観点から、中小・小規模事業者への期待は大きい」と指摘。激変する環境において、経営課題を乗り越え成長を遂げるために重要な「経営力」について、「個人特性面」「戦略策定面」「組織人材面」――の三つの観点から分析し、「経営力の向上が業績向上や人材確保に向けて重要である」との考えを示している。
小規模企業白書では、事業規模・商圏が限られる中で、小規模事業者が持続的な発展を遂げるためには、差別化による独自の強みの創出が重要との認識を強調するとともに、「経営者のリテラシーを高め、経営の振り返りと改善のサイクルを通じた『経営の自走化』を目指すことが重要」と指摘。支援機関については、「多様化・複雑化する経営課題に対応するため、支援能力の強化が必要」との認識を強調し、そのために重要な支援機関同士の連携強化に向け、それぞれの強みの理解や連携の仕組みづくりが重要との見方を示している。