経済産業省は5月26日、第43回中小企業政策審議会(会長・日本商工会議所小林健会頭)総会をハイブリッド形式で開催した。会合では、「中小企業政策」「事業承継・M&Aの推進」などの方向性について議論。中小企業政策の当面の方向性については、成長投資の促進、中小企業によるイノベーション促進、小規模事業者への支援強化、地域における社会課題解決に向けた取り組みの強化などが示されたほか、「『稼ぐ力』の強化に向けたインフラ整備・厳しい経営環境への対応」として、価格転嫁・取引適正化の継続・徹底、省力化、生産性向上のさらなる推進などが示された。
事業承継・M&Aの推進に向けては、「売り手」「市場」「買い手」の三つの側面に存在する課題に対応した「中小M&A市場改革プラン(仮称)」が提示され、今後、「中小M&A市場の改革に向けた検討会」で検討を深めていくことなどについて報告があった。
会議に出席した小林会頭は、「地域経済と結び付き、中小企業は地域の産業インフラ・商業インフラを担っている。その中小企業の存続に、事業承継・M&Aは重要」と指摘。M&Aについては、「最終的には経営者の人を見る目が重要な要素。安心して取り組めるように、役所や金融機関などの協力も必要」との見方を示した。
事業承継税制の特例措置の恒久化については、「キャッシュアウトがいらないので、これ以上良いことはない」と述べ、恒久化の要望活動に全力で取り組む考えを表明した。