日本商工会議所は6月19日、「次期社会資本整備重点計画・交通政策基本計画に関する意見~地域の稼ぐ力を高め、持続可能な地域づくりを支える社会インフラの形成を~」を取りまとめ、公表した。意見書は、政府において社会資本整備政策・交通政策の次期中期計画(社会資本整備重点計画・交通政策基本計画)の検討が開始されたことを受け、全国の商工会議所・事業者などから寄せられた意見を踏まえて作成。同20日には、日商の荒木毅国土・社会基盤整備専門委員長(富良野・会頭)が国土交通省の塩見英之総合政策局長に意見書を手交し、内容の実現を強く求めた。
意見書では、少子化や若者・女性の流出による「二重の人口減少」が加速度的に進む中、新たな技術開発の進展や自然災害の激甚化・頻発化・複合化などにより、「都市の在り方も転換・変革が求められている」と指摘。「社会資本整備は、将来世代にわたる幅広いストック効果をもたらす『未来』への投資」との認識の下、国土を俯瞰(ふかん)した戦略的な観点から社会資本整備・交通政策の加速化・深化を図る必要性などを強調した。
具体的な意見項目としては、①成長型経済の実現に向けた効率的・効果的な社会基盤整備の推進②社会基盤整備を支えるための地域間連携・公民連携による推進力強化――の2本柱を提示。①では、「わが国が成長型経済への転換点を迎えている今こそ、『攻めの社会資本整備』への転換を図るべき」との認識の下、主要交通インフラへのアクセシビリティー向上に向けた支援など産業の再生、活性化を支える社会資本整備を求めたほか、都市の再生、にぎわい創出を支える都市基盤の整備を要望。また、海外からの旺盛な投資や消費などを取り込むため、空港、港湾の機能強化などを求めた。
②では、自治体の財政余力や人的資源が乏しい中、個別の自治体リソースのみに頼ったインフラなどの適切な維持・更新が限界を迎えている現状を指摘。「地域の実態・特性に対応した広域連携や公民連携の推進に向けた体制強化への支援が必要」との認識の下、行政区域の枠を超えた「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」や、地域企業が参画するPPP/PFI(ローカルPFI)の推進などを要望。また、大規模自然災害発災時の復旧・復興を担うインフラ人材などの不足が深刻化する現状を踏まえ、建設業・運輸業などの人材確保・育成を後押しする事業環境の整備などを求 めた。
意見書を受け取った塩見局長は、「地域に根差した活動をしている商工会議所からの意見は大変重く受け止めている。省庁連携の下、『経済成長を支えるインフラ整備』を意識しながら計画案を作成していきたい」と述べ、意見書の方向性に理解を示した。