4人による聖地巡礼の詳細はこちら https://www.youtube.com/watch?v=3dvNlcCGZdg
2025年7月7日、ゾンビ先生は埼玉県久喜市鷲宮にいた。アニメ『らき☆すた』の聖地である同地で、キャラクターの誕生日イベントに登壇するためだ。『らき☆すた』の放送年が07年だから、もう18年前になる。18年前!? 時のたつのは早いもの……。
その2日後の朝、群馬県の前橋駅で待ち合わせをしていた。25年4~6月に放送された、前橋市が舞台のオリジナルアニメ『前橋ウィッチーズ』の聖地巡礼をするためだ。待ち合わせ相手は、アルピナさん、メイローさん、諸星めぐるさん、全員VTuberである。アルピナさんとメイローさんは「ピーキーハイカーズ」という演劇と群馬県に特化したVTuberコンビ。諸星めぐるさんは民俗学が好きなバーチャル書店員だ。
アルピナさんとメイローさんに案内してもらい商店街を歩く。ご当地VTuberだからこその生きた地域情報を聞きながらの聖地巡礼は実にぜいたく。例えば、作中の重要なシーンで「交差点」が登場するのだが、在住者としてもそこはよく通る場所だそうで、集合場所として妥当なのだという。諸星さんは民俗学の視点から考察。4人で話しながら現地を見ると、アニメの中で空間と物語が実にうまくマッチしていることが実感でき、作品をもう一度見直した。
7月13日、この4人で「振り返りライブ配信」を実施(2次元コードから視聴可能)。チャット欄には、『前橋ウィッチーズ』を見た人、未見の人、前橋に行ったことがない人、群馬在住の方々、高崎経済大学の教員など、さまざまな人々が集い、写真を見ながら世代や立場を飛び越えてお互いに情報を補完し合い、前橋の解像度が高められた。
その後、Xには「配信を見て前橋に行ってきました」というポストが見られ、実際に人の移動を促している。このリアルタイムの相互作用による旅行情報や感情の伝達は、『らき☆すた』の頃からさらに進化したコンテンツツーリズムの在り方といえよう。

