政府は9月と3月を「価格交渉促進月間」と位置付けて、受注側と発注側の企業間での価格交渉、労務費、原材料費、エネルギーコストなどの上昇分を適切に取引価格に転嫁することを呼び掛けている。
専用サイトの動画で武藤容治経済産業大臣は、価格転嫁率について、「今年3月時点では改善傾向にはあるものの、いまだ5割程度であり、依然として道半ば」と指摘し、継続する物価上昇に負けない大幅な賃上げを成し遂げていかなければならないとの考えを強調。「継続的な賃上げが実現する成長型経済に転換するためには、原資の確保が不可欠であり、より一層の価格転嫁・取引適正化が重要」と述べ、積極的な価格交渉を呼び掛けた。また、政府としては、「プッシュ型で現場の状況をきめ細かく把握し、必要な施策をちゅうちょなく実施していく」との方針を表明した。
経産省では、エネルギー価格や原材料費、労務費などが上昇する中、中小企業が適切に価格転嫁をしやすい環境をつくるため、2021年から、毎年9月と3月を「価格交渉促進月間」と設定。価格交渉・価格転嫁を促進するため、広報や講習会、eラーニングの提供などを行っているほか、業界団体を通じた価格転嫁の要請などを実施している。
各「月間」終了後は、多数の中小企業に対し、主な取引先との価格交渉・価格転嫁の状況についてフォローアップ調査を実施し、価格転嫁率や業界ごとの結果などを取りまとめる。また、事業所管状況の芳しくない発注事業者に対しては、大臣名での指導・助言を実施し、自発的な改善を促すほか、下請Gメンによるヒアリング情報を活用した注意喚起などを行っていく。
詳細は、https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/follow-up/index.htmlを参照。