政府は8月26日、第15回「GX実行会議」(議長・石破茂首相)を開催し、GXを巡る情勢と今後の取り組みなどについて議論した。日本商工会議所の小林健会頭は会議に意見書を提出した。意見書ではGX産業立地について、「脱炭素電源の設置が地域の産業振興と結び付くことが重要」と指摘。半導体関連やデータセンターなど需要家企業の誘致や再生可能エネルギー施設の設置・整備において、地元中小企業の参画を促す取り組みを強く求めた。また、「脱炭素と安定供給を支える電源として、原子力の活用は欠かせない」と述べ、安全が確保された原発の早急な再稼働などを要望した。
中小企業におけるGXの推進については、多くの中小企業が脱炭素のハードルとして「費用負担の大きさ」や「人材・ノウハウ不足」などを挙げた日商の調査結果に触れ、「中小企業におけるGX推進には、コスト削減にもつながる『省エネ』が要となる」との見方を表明。政府には、中小企業が広くGXに取り組むことができるよう、大胆な予算措置を求めた。
石破首相は、「GX投資のうねりを日本各地に広げ、世界からの投資も日本に呼び込む」と意欲を表明。その一つの柱として、地域の脱炭素電源を活用した新しいチャレンジを支援する「GX戦略地域」を新設する方針を示したほか、20兆円規模のGX経済移行債の枠組みを活用した支援と、必要な規制改革を一体で措置する方針を示した。