中小企業庁はこのほど、過去最大となった2025年度の最低賃金引き上げに対応する中小企業・小規模事業者を後押しするべく新たな対応策も含めた支援策を公表した。今年の最低賃金の全国加重平均は現状から66円増加した1121円(引き上げ率6.3%)となっている。そのため、同庁は賃上げ原資の確保に向けた価格転嫁対策の強化と補助金などによる支援、中小・小規模企業の生産性向上における賃上げ支援機能の強化を行う。
価格転嫁対策においては、26年1月に施行される中小受託取引適正化法(改正下請法)の着実な執行と取引慣行の改善、幅広い業界での取引適正化の要請を強化する。
改正下請法では、協議に応じない一方的な価格設定や手形払いが禁止されるなど規制の見直しが行われ、改正点は公正取引委員会と連携した事業者説明会などを通して周知広報を徹底する。取引慣行の改善に向け取引Gメン(下請Gメン)などが芳しくない取引実態を把握した場合の発注側企業に対する行政指導を強化する。
補助金などの面では、小規模事業者の販路開拓を支援する持続化補助金や、赤字企業でも利用できる賃上げ促進税制、売上高100億円を目指すことを宣言した企業(100億企業)に向けた成長加速化補助金、事業承継・M&A補助金などによる支援を行う。
また、ものづくり補助金、IT導入補助金、省力化投資補助金(一般型)については、対象企業の拡大などの要件緩和や審査における優遇措置を新たに実施する。
支援策は同庁や厚生労働省のウェブサイトなどで公開している。