日本商工会議所の小林健会頭は9月4日、各地商工会議所の経営指導員との意見交換会を開催した。会合には小林会頭のほか、6人の経営指導員が出席した。
経営指導員からは、事業者支援などに関する課題について報告。意見交換では、「事業承継支援で、経営者と承継予定者の考え方が異なる場合、前に進まない。特に親族間だと間に入りづらく、対応が困難なケースもある」「企業再生支援の成否は、経営者の『やる気』次第。意欲のない経営者は、結局廃業してしまう」「資金繰り支援としてマル経融資を受ける事業者の資金使途の多くが賃上げや採用関連。人手不足は深刻」「事業者がBCPを策定しない理由の多くは『必要性を感じない』こと。必要性を理解してもらう取り組みが重要」「経営指導員の質を高めるには、認定試験の実施や基礎研修の受講内容などの一層の充実が必要ではないか」「能登支援活動を通じて、自所の経営指導員の現場対応力の向上の必要性を実感。その後、資格取得の奨励をはじめ経営指導員の育成に取り組んでいる。課題としては、資格取得へのモチベーションの向上が挙げられるが、一方で、資格取得後の独立に対する懸念もある」などの声が上がった。
意見交換会は、経営支援の最前線で中小企業などの伴走支援をしている経営指導員から直接、現場の生の声を聞きたいとの小林会頭の発案により2023年12月に初回を実施。今後も適宜開催し、現場の声を丁寧に拾い上げ、経営指導員の伴走支援力向上へ支援を強化するとともに、国や自治体に対して、効果的な政策要望や経営支援の重要性を働き掛けていく。
