高市早苗首相の台湾有事発言をきっかけに、日中関係は一気に冷え込み、現実の季節さながらの厳冬期に入った。中国政府の対応、発信は2012年9月の尖閣諸島国有化の時以来の厳しさだが、大きく違う点もある。中国の一般の人の対応だ。思い出せば、12年には中国各地で日本企業の工場、店舗が襲撃され、日本車や日本製品が破壊された。今回は中国政府による訪日自粛呼び掛けや実際の旅行キャンセル、日本関連イベントの中止こそ起きてはいるが、激高した市民が日本企業を襲撃する極端な事態にまでは発展していない。
中国における反日デモは政府の指示、運営で実施されることが少なくない。政府が大学や役所からデモ、集会会場まで送迎バスを出し、マニュアル通りに反日シュプレヒコールを叫ぶという仕組みだ。そこから予期せぬエスカレーションが起き、投石や放火に及ぶこともあり、政府にとっても市民の怒りを制御するのは簡単ではない。
