桑名商工会議所(三重県)が主催する創業セミナー「桑名創業塾」の受講生から高校生の起業家が誕生した。起業したのは桑名工業高等学校3年の服部弘滉さん。端材を使ったボールペンの製作販売と、高校生による企業PR動画の制作販売を行う株式会社シークを昨年12月3日に設立した。
服部さんは在学中、同所のインターンシップ事業「産業現場実習」や1週間に1日企業で実習を行う「デュアルシステム」に参加し、さまざまな職業を体験。2年生のとき、クルミの端材でボールペンを製作する同好会「MONOづくり工房」を立ち上げ、職業体験の協力企業へお礼品として贈るほか、つくり方の出前授業も行ってきた。こうした活動を通して起業に関心を持ち、担当教諭の勧めで桑名創業塾に参加。同所の創業相談も活用し、12月の創業に至った。
会社設立後に同所を訪れた服部さんは、「地域の教育機関や企業、行政と密接に関わりながらものづくりや新たなサービスを計画していく。起業を通じて、自身の成長と地域を担う次世代の人材育成を目指したい」と話した。
同所は1996年から行政・学校・企業と連携して産業現場実習を実施、2004年には文部科学省の「日本版デュアルシステム」推進事業の指定を受けるなど職業教育に力を入れてきた。創業塾は短期間で必要な知識を学ぶ実践的セミナーで毎年秋に開催している。同所は「高校生社長を輩出したのは初めて。今後も支援していきたい」と話している。
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