日本商工会議所はこのほど、1月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に、2019年度の新卒採用(20年4月入社)の動向についてヒアリングした結果を発表した。新卒採用を「実施した」企業は36・8%と、19年1月調査からほぼ横ばいとなった。
2019年度の新卒採用を実施した企業のうち、「採用できたが計画した人数には満たなかった」企業は19年1月調査比4・9㌽減の38・1%、「募集したが採用できなかった」企業は同1・3㌽増の25・7%となり、計画通り採用できなかった企業は合計63・8%となった。「計画通りに採用できた」企業は同3・6㌽増の36・2%となった。
一方、「今年度は実施しなかった」は19年1月調査比2・2㌽増の21・5%、「そもそも新卒採用をしていない」は同2・0㌽減の41・7%となった。
ヒアリングした企業からは、「都市部以外での採用が困難さを増している。特に営業職が不足しており、対応に苦慮している」(医薬品卸売)、「4月から時間外労働の上限規制の対象となることを考えると、人員を増やして対応するしかないが、少子高齢化が進む中、新規採用もままならない状況」(運送)といった採用環境の厳しさを訴える声が寄せられた。
このように、前年同月調査と比較すると若干の改善が見られるものの、依然として6割超の企業が計画通りの採用ができていない結果となった。4社に1社は募集をしても採用できなかったと回答しており、深刻な人手不足が続いていることがうかがえる。また、企業からの声では、こうした状況下で、2020年4月から時間外労働の上限規制が中小企業にも適用されることへの不安の声も多く聞かれた。
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