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未来投資戦略2018(概要)抜粋 ソサエティー5・0の実現 スピード感持って推進

取りまとめに尽力した三村会頭(右から2人目)(5月17日「第16回未来投資会議」、首相官邸)

政府はこのほど、IoT、ビッグデータ、AI(人工知能)、ロボットなどの第4次産業革命の技術革新を存分に取り込み、「ソサエティー5・0」を本格的に実現するため、これまでの取り組みの再構築、新たな仕組みの導入を図る「未来投資戦略2018」を閣議決定した。「ソサエティー5・0」を、具体的に実現するけん引力となる「フラッグシップ・プロジェクト(FP)」として、次世代モビリティ・システムや次世代ヘルスケア・システムの構築、などを提言している。特集では、その概要を抜粋して紹介する。

第1 基本的視座と重点施策

1.基本的考え方(省略)

2.第4次産業革命技術がもたらす変化/新たな展開:「ソサエティー5・0」(省略)

3.「ソサエティー5・0」の実現に向けて今後取り組む重点分野と変革の牽引力となる「フラッグシップ・プロジェクト」

「ソサエティー5・0」の実現に向けた改革において、この数年がわが国にとって勝負どころであり、「物事が目に見えて変わり始めること」を実感できるスピード感が重要である。

このため、これからの成長戦略においては、幅広い取り組みについて総花的に施策を展開し、リソースを投入するのではなく、第4次産業革命の社会実装によって大きな可能性とチャンスを生む新たな展開が期待される重点分野について、

・新たなイノベーションの社会実装やデータ活用によって国民生活が変わる姿を、実際に「現場」を変える具体的かつ先導的なプロジェクトとして推進する、

・プロジェクトの推進に当たっては、さまざまなプレーヤーの参画を得つつ、産学官の壁、既存の組織や業界間、省庁間の壁を越えてルールを共有し、人材・資金面での資源を重点投入する、

・現状を打破する「尖った」取り組みを推進する際に直面する制度的な課題については、「サンドボックス」制度の活用など新たな仕組みによって直ちに解決の道筋をつけ、「ソサエティー5・0」にふさわしい新たなルール整備につなげる、これらの視点から、日本の成長戦略をけん引する新たな「フラッグシップ(旗艦)・プロジェクト」(FP)を推進する。

⑴①「自動化」:次世代モビリティ・システムの構築プロジェクト

世界では自動運転の開発・社会実装競争のみならず、移動に関するさまざまなサービスに横串しを刺した競争も開始されており、日本においても世界に先駆け、自動運転および公共交通全体のスマート化を含む「次世代モビリティ・システム」を実現する。

<自動運転の実用化>

・無人自動運転による移動サービスの2020年の実現や高速道路でのトラックの隊列走行について、早ければ2022年の商業化などを目指す。地域の交通事情に知見がある運行事業者と連携した実証や、後続車無人システムの公道実証を本年度中に開始する。

・2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据え、羽田空港や臨海地域などにおいて、遠隔運行や完全自動運転に向けた最先端の実証をできる限り広範囲で可能とするよう、来年度までに信号情報を車両と通信するインフラや路車間通信などの環境整備を行う。

・2020年の無人走行サービスなどを制度上可能とするべく政府の方針を取りまとめた「自動運転に係る制度整備大綱」に基づき、国際的な議論においてリーダーシップを発揮しつつ、各分野での必要な法制度の整備を早急に進める。

<公共交通全体のスマート化>

・2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会での円滑な輸送に寄与する観点から、公共交通機関における運行情報などを手軽に利活用できるよう、本年度は首都圏で先行して、オープンデータを活用したスマートフォンアプリによる情報提供の実証実験を実施する。

・まちづくりと公共交通の連携を推進しつつ、自動走行など新技術の活用、(中略)買い物支援・見守りサービス、MaaS(Mobility as a Service)などの施策連携により、利用者ニーズに即した新しいモビリティサービスのモデル都市、地域をつくる。

⑴②次世代ヘルスケア・システムの構築プロジェクト

データや技術革新を積極導入・フル活用し、個人・患者本位の新しい「健康・医療・介護システム」の2020年度からの本格稼働を目指して構築し、医療機関や介護事業所による個人に最適なサービスの提供や保険者や個人による予防・健康づくりを進め、次世代ヘルスケア・システムの構築と健康寿命の延伸を目指す。

<個人に最適な健康・医療・介護サービス>

・個人の健診・診療・投薬情報が医療機関などの間で共有できる全国的な保健医療情報ネットワークについて、本年夏をめどに具体的な工程表を策定し、必要な実証を行いつつ、2020年度からの本格稼働を目指す。

・個人の健康状態や服薬履歴などを本人や家族が随時確認でき、日常生活の改善や健康増進につなげるための仕組みであるPHR(Personal Health Record)について、2020年度より、マイナポータル(個人向け行政ポータルサイト)を通じて本人などへの本格的なデータ提供を目指す。

・認知症の超早期予防から発症後の生活支援、社会受容のための環境整備も含め、自治体、研究者、企業などが連携し、「認知症の人にやさしい」新たな製品やサービスを生み出す実証フィールドを整備すべく、官民連携プラットフォームを本年度構築する。

<医療・介護現場の生産性向上>

・介護現場の生産性を飛躍的に高めるため、ICT化を徹底推進し、2020年度までに介護分野での必要なデータ連携が可能となることを目指すとともに、現場ニーズを踏まえたロボット・センサー、AIなどの開発・導入を推進し、事業者による効果検証から得られたエビデンスを活用して、次期以降の介護報酬改定などで評価する。

・健康増進や予防に資する公的保険外のサービスの活用を促進するため、業界の自主的な品質評価の仕組み構築を通じたサービスの客観的な品質の「見える化」や自治体、ケアマネジャーなどからの利用者に対する良質なサービスに関する積極的な情報提供を促すとともに、行政コストを抑えつつ、民間ノウハウを活用して社会課題解決と行政効率化を実現する成果連動型民間委託契約方式の活用と普及を促進する。

<遠隔・リアルタイムの医療とケア>

・医師や薬剤師など多職種の連携の下、住み慣れた地域・わが家において安心して在宅で医療やケアを受けられるよう服薬指導を含めた「オンラインでの医療」全体の充実に向けて、次期以降の診療報酬改定における有効性・安全性を踏まえた評価、「医薬品医療機器等法」の改正の検討など所要の制度的対応も含めてユーザー目線で、現状を更に前進させる取り組みを進める。

⑵「経済活動の糧」関連プロジェクト

〇エネルギー転換・脱炭素化に向けたイノベーションの推進

・2050年を見据え、デジタル技術を活用したエネルギー制御、蓄電、水素利用などのエネルギー転換・脱炭素化に向けた技術開発を進め、日本企業の能動的な提案・情報開示や金融機関・投資家との対話・理解を促し、ESG投資を促進する。また、電気自動車、燃料電池自動車など次世代自動車の普及を推進する。さらに、脱炭素化に貢献するわが国の技術・製品を国際展開し、世界全体のエネルギー転換・脱炭素化をけん引していく。

・蓄電池や電気自動車、ネガワットなどの分散型エネルギーリソースを活用した次世代の調整力であるバーチャルパワープラントの2021年度からの事業化に向け、利用可能なエネルギーリソースの拡大、制御技術の高度化に向けた実証、制度整備などを進める。

・これらのプロジェクトを進めるのと同時に、世界のマーケットのグリーン化が進展する中、環境と経済成長の好循環を実現し、脱炭素化をけん引する成長戦略として、パリ協定に基づく温室効果ガス低排出型の経済・社会の発展のための長期戦略を策定する。

〇フィンテック/キャッシュレス化推進

・現在の業態ごとの金融・商取引関連法制を、同一の機能・リスクには同一のルールを適用する機能別・横断的な法制に見直すことについて、関係省庁において連携しつつ検討を行い、法整備に向けた基本的な考え方について本年度中に中間整理の取りまとめを目指す。

・ブロックチェーン技術、タイムスタンプなどを用いて簡易かつ高セキュリティーな本人確認手続きを可能とする仕組みの構築や市場監視業務へのAI導入の検討を進める。

・産官学の関係者による「キャッシュレス推進協議会(仮称)」を本年中に設立し、事業者・消費者双方が受け入れやすいインセンティブ措置を含め、キャッシュレス社会実現の取り組みの検討を行うとともに、簡易かつ高セキュリティーな決済の仕組みを確保しつつ、2次元コード(QRコードなど)のフォーマットに係るルール整備について、本年度中に対応策を取りまとめる。

⑶「行政」「インフラ」関連プロジェクト

〇デジタル・ガバメントの推進

・デジタル・トランスフォーメーションが世界的に拡大する一方で、わが国の旧態依然としたアナログ型行政を転換し、民間のデジタル化の流れに遅れることなくデジタル時代に即した組織・サービスとしていくことで世界最先端のデジタル社会の基盤を整備する。

・「デジタルファースト法案(仮称)」の本年中の国会提出により、バックオフィス連携による添付書類撤廃、押印や対面手続きなどの本人確認手法の見直し、手数料支払いのオンライン化、API整備などを実現する。

・「フラッグシップ・プロジェクト」として、「介護」に関する手続きは本年度から、住所変更という同じ内容について複数の異なる窓口での手続きを強いられている「引っ越し」や近親者の死後間もなく遠隔地の役所での手続きを強いられる「死亡・相続」に関する手続きは、それぞれ来年度から個人向け行政手続のワンストップ化・ワンスオンリー化を実現する。

・「法人設立手続き」のオンライン・ワンストップ化により法人設立登記が24時間以内に完了する仕組みを来年度から実現し、「企業が行う従業員の社会保険・税手続き」に関するワンストップサービスを2020年度から順次開始する。

・公的個人認証を活用したオンライン手続きをスマートフォンで可能とするための法制度整備(来年めど)を行う。

・行政データなどのオープン化について、民間要望を踏まえて重点的に進め、運行情報など公共交通関連データ、訪日外国人の消費関連などインバウンド関連データ、ハザードマップなど防災関連データなどの早期オープン化を実現する。

・これらの実現に当たり、投資対効果を最大化し一元的なプロジェクト管理を可能とするため、情報システム関係予算について、要求から執行の各段階において府省横断的な視点を反映させる仕組み、調達・契約方法の柔軟化、外部の優れた人材の活用について検討を進め、推進体制の強化を図る。

〇次世代インフラ・メンテナンス・システムの構築

・急速に進展しているインフラの老朽化と中長期的な人手不足に対応し、安全・安心と生産性向上を支えるインフラを適切に管理して良好な資産として次世代に引き継ぐため、徹底したデータ活用とロボット・センサーなどの新技術の開発・導入により、インフラメンテナンスの生産性向上とコスト効率化を大幅に進める。

・インフラ関係の諸データを集約・共有するインフラ・データプラットフォームを構築するとともに、建設から更新・維持管理のプロセス全体を3次元データでつないでクラウド化し、測量・設計・施工・維持管理の各現場業務や受発注者双方の監督・検査業務の省力化・効率化を支援する。

・現場ニーズに即した要求水準(性能、コストなど)を国が明示し、民間事業者が実現手法をオープンイノベーションで開発していく手法を積極活用しつつ、要求水準充足が確認できた新技術については、速やかに所要の技術基準類の整備を進めるとともに、新技術開発・導入やデータ活用に向けた今後5年間のロードマップを本年中に作成し、「インフラ長寿命化計画」などについて本年度中に中間的な評価・点検を行う。

〇PPP/PFI手法の導入加速

・国有林について、公益的機能を維持しつつ、民間事業者の長期かつ大ロットでの使用収益可能な仕組みを整備するとともに、空港、上下水道、道路、文教施設、港湾などの重点分野のコンセッションの取り組みを強化する。

・公共施設等運営事業など、PPP/PFIの更なる活用拡大に向けて、司令塔である内閣府や事業実施省庁において専門的知識と豊富な経験を有する専任の民間人材を登用するなど、推進体制を抜本的に強化する。

・行政コストを抑えつつ、民間ノウハウを活用して社会課題解決と行政効率化を実現する成果連動型民間委託契約方式の活用と普及を促進する。

⑷「地域」「コミュニティー」「中小企業」関連プロジェクト

〇農林水産業のスマート化

・農業のあらゆる現場で、センサーデータとビッグデータ解析による栽培管理の最適化、AIによる熟練者のノウハウの伝承可能化、ロボット、ドローンによる無人化・省力化や規模拡大・生産性向上を進めるとともに、バリューチェーン全体をデータでつなぎ、マーケティング情報に基づく生産と出荷の最適化やコストの最小化に向けた取り組みを推進する。このような取り組みを林業・水産業へと拡大する。

〇まちづくりと公共交通・ICT活用などの連携によるスマートシティー

・まちづくりと公共交通の連携を推進し、次世代モビリティサービスやICTなどの新技術・官民データを活用した「コンパクト・プラス・ネットワーク」の取り組みを加速するとともに、これらの先進的技術をまちづくりに取り入れたモデル都市の構築に向けた検討を進める。自動走行技術も活用した効率的な移動サービスや買い物支援・見守りサービスなど、少子高齢化社会でのまちづくりの課題に対するソリューションの提供を地域の産業の柱としていく。

〇中小企業・小規模事業者の生産性革命の更なる強化

・中小企業・小規模事業者によるIT、ロボット導入を強力に推進するため、生産性向上特別措置法に基づく固定資産税の負担減免措置と「ものづくり・商業・サービス補助金」、IT導入補助金などの支援施策との相乗効果が発揮されるよう、中小企業の経営改善と連携したIT支援体制を強化する。

・担保・保証に過度に依存しない事業性評価融資により中小企業などへの成長資金の供給を加速するため、事業承継時も含めた「経営者保証に関するガイドライン」の活用状況を(中略)客観的に評価できる指標群(KPI)を設けることなどを通じ、同ガイドラインを一層浸透・定着させ、改善を目指す。なお、上記⑶「行政」「インフラ」の分野、⑷「地域」「コミュニティー」「中小企業」分野を中心に、地域が連携して取り組む施策・仕組み、広域レベルでの取り組みにより、実態の広域経済圏に対応できる仕組み、さらに東京一極集中に対して地方がその潜在力を最大限に発揮できるような、新たな構想を早急に検討し、具体化していく。

4.経済構造革新への基盤づくり

「ソサエティー5・0」を構築する原動力は、新しい技術やアイデアをビジネスに生かす「民間」のダイナミズム。産業界は、さまざまなつながりにより付加価値を創出するコネクテッドインダストリーズに自らを変革し、イノベーションをけん引することが期待される。日本の強みを生かすイノベーションを実現する上での「官」の役割は、イノベーションが起こりやすい環境や制度を徹底的に整えるべく、その隘路(あいろ)となり得る分野横断的な課題を徹底的に克服すること。 このため、データ利活用基盤や人材・イノベーション基盤など、データ駆動型社会の共通インフラを整備するとともに、大胆な規制・制度改革や「ソサエティー5・0」に適合した新たなルールの構築を進める。

⑴データ駆動型社会の共通インフラの整備

①基盤システム・技術への投資促進

・わが国の強みである現場データをリアルタイムに処理するAIチップなどのエッジ処理技術、量子などの次世代コンピューティング技術の開発を促進する。

・大容量・高速通信を支える5Gについて、本年度末に周波数割当を行い、民間事業者による基盤整備を促進し、2020年からのサービス開始につなげる。また、セキュアで高速の学術情報ネットワークを企業にも開放し、「ソサエティー5・0」に係る産学共同研究を加速度的に進めていく。

・さまざまなデータの流通が国内外で本格化する中、セキュリティーを確保するためサプライチェーンを通じた機器・サービスの信頼性の証明、政府調達に係るクラウドの安全性評価、重要なインフラ分野などにおけるデータの適切な保護・流通の仕組みの検討など、サイバーセキュリティー対策を推進する。

②AI時代に対応した人材育成と最適活用

・AI時代には、高い理数能力でAI・データを理解し、使いこなす力に加えて、課題設定・解決力や異質なものを組み合わせる力などのAIで代替しにくい能力で価値創造を行う人材が求められる。そのため、教育改革と産業界などの人材活用の面での改革を進めるとともに、「人生100年時代」に対応したリカレント教育を大幅に拡充する。

・2020年度からの小学校でのプログラミング教育を効果的に実施するため、教材開発や教員研修の質の向上を実現するとともに、無線LANや学習者用コンピューターなどの必要なICT環境を2020年度までに整備すべく、地方自治体における整備加速を支援していく。

・義務教育終了段階での高い理数能力を、文系・理系を問わず、大学入学以降も伸ばしていけるよう、大学入学共通テストにおいて、国語、数学、英語のような基礎的な科目として必履修科目「情報Ⅰ」(コンピューターの仕組み、プログラミングなど)を追加するとともに、文系も含めて全ての大学生が一般教養として数理・データサイエンスを履修できるよう、標準的なカリキュラムや教材の作成・普及を進める。

・先端的なAI人材の育成のため、工学分野における学科・専攻の縦割りや工学(情報など)と理学(数学、物理など)など学部などの縦割りを越えて分野横断的で実践的な人材育成を行う「学位プログラム」を実現するべく、大学設置基準などの改正を行う。

・民間企業の老朽化した ITシステム(レガシーシステム)を刷新し、デジタル・トランスフォーメーションを推進しつつ、現在、ITシステムの保守・運用に割かれているIT人材へのリカレント教育を促進し、AI・データ分野での最適な活用を実現する。また、企業、大学などの組織改革や人事・給与制度改革を促進し、内外の高度AI人材へのグローバルに遜色ない高待遇を実現する。

・副業・兼業を通じたキャリア形成を促進するため、実効性のある労働時間管理などの在り方について、労働者の健康確保などにも配慮しつつ、労働政策審議会などにおいて検討を進め、速やかに結論を得る。

③イノベーションを生み出す大学改革と産学官連携

・第4次産業革命が進展し、知と人材の集積拠点である大学・国立研究開発法人のイノベーション創造への役割が重さを増す中、イノベーションの果実が、次の研究開発に投資されるイノベーションエコシステムを産学官が協力して構築する。

・研究大学における学長(経営責任者)とプロボスト(教学責任者)の機能分担、経営協議会の審議活性化、経営人材キャリアパスの形成などを含む大学ガバナンスコードを来年度中に策定する。

・研究大学を中心とした国立大学に、民間資金の獲得などに応じ運営費交付金の配分などを行う仕組みを本年度中に検討し、試行的な導入を早急に行う。

・若手研究者の活躍の機会を増大させるため、国立大学の教員について年俸制を段階的に拡大するとともに、適切かつ実効性のある業績評価に基づく給与水準の決定を徹底する。また、若手研究者が自立的に研究に挑戦できるよう、科学研究費助成事業などについて若手向け研究種目への重点化を図る。

⑵大胆な規制・制度改革

①サンドボックス制度の活用と縦割り規制からの転換

・生産性向上特別措置法に創設された新技術等実証制度(いわゆる「規制のサンドボックス制度」)を政府横断的・一元的な体制の下で推進することにより、革新的な技術やビジネスモデルを用いた事業活動を促進する。

・従来の産業分類にとらわれない革新的なビジネスが次々と登場してくる中で、規制の「サンドボックス」制度の運用から導かれる制度見直しニーズへの対応も含め、いわゆる業法のような既存の縦割りの業規制から、サービスや機能に着目した発想で捉え直した横断的な制度への改革を推進する。

②プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備

・プラットフォームの寡占化が進む中で、新たなプラットフォーム型ビジネスが次々と創出され、活発な競争が行われる環境を整備するため、特定のプラットフォームからいつでもユーザーが移籍できるデータポータビリティーやオープンに接続されることが可能なAPI開放などを含め、中小企業やベンチャーを含めた公正かつ自由で透明な競争環境の整備、イノベーション促進のための規制緩和(参入要件の緩和など)、デジタルプラットフォーマーの社会的責任、利用者への公正性の確保など、本年中に基本原則を定め、これに沿った具体的措置を早急に進める。

③経済社会構造の変化に対応した競争政策の在り方の検討

・地域における人口減少などによる需要減少やグローバル競争の激化など、経済・社会構造そのものが大きく変化する中、地域にとって不可欠な基盤的サービスの確保、地域などでの企業の経営力の強化、公正かつ自由な競争環境の確保、一般利用者の利益の向上などを図る観点から、競争の在り方について、政府全体として検討を進め、本年度中に結論を得る。

5.今後の成長戦略推進の枠組み(省略)

第2 具体的施策(省略)