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訪日旅行に関するアンケート調査結果(2018年10月15日・日本政策金融公庫) 94%が再訪日を希望 パッケージツアー半数超

図1 前回の訪日観光旅行におけるパッケージツアーの利用状況

日本政策金融公庫総合研究所はこのほど、インバウンドの旅行ニーズを探るため実施した「訪日旅行に関するアンケート調査」の結果を発表した。同調査によると、再訪日を希望する旅行者は94・8%に上り、また、パッケージツアーの利用者が半数を超えていることなどが分かった。調査対象は、インバウンドの3分の2を占める韓国、台湾、中国の20~49歳までの男女で、過去1年間に観光目的でわが国を訪れた人。インターネットを使って918人(韓国309人、台湾309人、中国300人)から回答を得た。特集では、調査概要を紹介する。

調査結果

1.旅行手配方法

パッケージツアーを利用した人が54・8%

〇前回の訪日観光旅行における旅行手配方法を見ると、全体では54・8%の人が何らかのパッケージツアーを利用している。

○国・地域別に見ると、韓国は34・3%、台湾は49・2%、中国は81・7%の人がパッケージツアーを利用している。(図1)

〇訪日観光回数別にパッケージツアーの利用状況を見ると、「1回目」の人が56・9%、「2回目」の人が62・4%と多いが、「3~5回目」の人も47・3%、「6回目以上」の人も45・5%となっており、何度も日本を訪れている人でもパッケージツアーを利用する人が少なくない。(図2)

2.宿泊数、宿泊施設

ホテル・旅館の利用者が86・6%、ホステル・民泊も37・3%

○前回の訪日観光旅行における宿泊数を見ると、全体では「4~6泊」が45・6%で最も多く、3泊以下と合わせて6泊以下が82・6%を占めている。

○国・地域別に見ると、韓国は3泊以下が合計で71・8%を占めるのに対し、台湾と中国は4泊以上の割合が多く、特に中国は「7泊以上」が33・7%を占めている。(図3)

〇前回の訪日観光旅行で利用した宿泊施設を見ると、「ホテル・旅館(洋室)」が67・7%、「ホテル・旅館(和室)」が49・4%と多い。(図4)どちらか一方でも利用した人の割合は86・6%になる。

○また、「ホステル」や「民泊」を利用した人は、それぞれ25・6%、17・9%と一定割合おり、どちらか一方でも利用した人の割合は、37・3%になる。

3.訪問した都道府県

特定の地域に集中

○前回の訪日観光旅行で訪れた都道府県を見ると、全体では「大阪府」が47・3%、「東京都」が46・8%と多く、以下「京都府」「北海道」「沖縄県」「九州各県」と続いている。

○国・地域別に訪問した都道府県を見ると、中国はどの都道府県も訪問率が高く、韓国や台湾からの旅行者に比べ日本での行動範囲が広い。 なお、中国の「その他」について具体的に見ると、「奈良県」が30・0%、「神奈川県」が25・3%、「静岡県」と「愛知県」が共に20・3%、「山梨県」が16・7%、「その他の県」が0・3%となっている。

4.旅行目的

観光名所訪問、食事、買い物

○主な旅行目的を見ると、「観光名所(自然)を訪れること」が48・8%で最も多く、以下「日本で食事をすること」が45・9%、「買い物をすること」が43・2%、「観光名所(自然以外)を訪れること」が36・7%と続いている。

○国・地域別に見ると、中国は右記の四つの目的を回答した人が比較的少なく、「日本人の日常生活を体験すること」や「日本の伝統的な文化を体験すること」など、他の目的を回答した人が多くなっている。(図5)

5.情報収集の手段

決め手はインターネットで個人が発信する情報

○訪問先や利用する施設を選ぶに当たって参考にした情報のうち、決め手になったものを見ると、「個人のブログ」が19・7%、「個人のSNS」が13・2%、「口コミサイト」が10・5%と、インターネット上で個人が発信する情報が43・4%を占めている。

○国・地域別に見ると、韓国は「個人のブログ」が多く、中国は「個人のSNS」と「口コミサイト」が多い。(図6)

6.旅行支出額

⑴国・地域別にみた旅行支出額~どの国・地域もばらつきが大きい

○旅行支出額は、どの国・地域でもばらつきが大きい。例えば、韓国は「8万円未満」が26・2%を占める一方で、「20万円以上」も18・1%ある。中国も「34万円未満」が29・0%を占める一方で、「85万円以上」も24・7%ある。

○旅行支出額は、滞在日数が長いほど多くなる。例えば、韓国について「20万円以上」の割合を見ると、「2泊以下」では9・0%であるが、「7泊以上」では45・5%となっている。

⑵宿泊施設と旅行支出額との関係~台湾、中国はホステルや民泊を利用した人の支出額の方が多い

○宿泊数と利用した宿泊施設の関係を見ると、宿泊数が多いほど、利用した宿泊施設の種類が多くなっている。例えば、「ホステル」や「民泊」を利用した人の割合は、「2泊以下」ではそれぞれ14・0%、6・6%であるが、「7泊以上」ではそれぞれ49・1%、31・4%となっている。また、「ホステル」か「民泊」のどちらか一方でも利用した人の割合は「2泊以下」では20・2%であるが、「7泊以上」では62・9%となっている。

○「ホステル」「民泊」の利用の有無別に旅行支出額を見ると、台湾と中国では、これらの宿泊施設を利用した人の方が、旅行支出額の多い人の割合が大きくなっている。

7.旅行の満足度

旅行目的、利用した施設共に不満はとても少ない

○主な旅行目的についての満足度を見ると、いずれも「不満だった」とする人は少なく、「とても満足できた」「満足できた」とする人が9割を超えている。(図7)

○利用した施設についての満足度を見ても、「宿泊施設」「交通機関」「小売店」「飲食店」のいずれも「不満だった」は少数で、満足した人の割合が9割を超えている。(図8)

8.再訪日の意向

94・8%が再訪日の意向を持つ

○日本にまた観光に行きたいかどうかを見ると、全体で94・8%の人が、「はい」と回答している。(図9)

○東京オリンピック・パラリンピック観戦の意向を見ると、全体では「行く(チケットを申し込む)」が34・5%を占めている。国・地域別に見ると、韓国と台湾は「行かない」「分からない」が多いのに対し、中国は72・3%が「行く(チケットを申し込む)」と回答している。(図10)

9.まとめ

○訪日に当たってパッケージツアーを利用した人は、全体では54・8%を占めている。国・地域別では、韓国が34・3%、台湾が49・2%、中国が81・7%となっている。欧米では個人手配が一般的であるのに対し、アジアではまだパッケージツアーの利用が多い。

○訪日観光の主な目的は、観光名所の訪問、食事、買い物となっている。また、訪問した都道府県を見ると、東京・京都・大阪という、いわゆるゴールデンルートと北海道、九州、沖縄に偏っており、他の県を訪れる人の割合は少ない。

○日本での滞在日数を見ると、韓国は3泊以下が71・8%を占めるのに対し、台湾と中国は、どちらも4泊以上が8割ほどを占める。特に中国は7泊以上の割合が33・7%と多い。宿泊先を見ると、ホテルや旅館の利用が多くなっているが、ホステルや民泊を利用した人も、それぞれ25・5%、17・9%いる。ホステルや民泊を利用した人の割合は、滞在日数が長いほど多く、7泊以上した人に限れば、それぞれ49・1%、31・4%になる。

○渡航費用を含めた旅行支出額を見ると、中国は85万円以上の割合が24・7%を占めるなど、韓国や台湾に比べ総じて多い。いわゆる爆買いは少なくなったとはいえ、中国が日本のインバウンド市場に及ぼす影響は大きい。

○日本観光の満足度はどの国・地域も高く、全体では94・8%の人が再訪日の意向を持つ。また、東京オリンピック・パラリンピックの観戦意向を見ると、韓国、台湾は行かない、分からないとする人が多いのに対し、中国は72・3%がチケットを申し込むとしている。