日本商工会議所は、9月20日から23日までの4日間、東京ビッグサイトで開催された「ツーリズムEXPOジャパン2018」において、全国13商工会議所が開発した観光商品11点の展示ブースを設置した。テーマは、「『行きたくなる』が、いっぱいある~ニホン旅まつり~」。その地域にしかない、その地域でしか体験することのできない着地型旅行商品(旅行者を受け入れる地域でつくられる旅行商品)が並んだ。特集では、その概要を紹介する。
JNO(実は夏も面白い)MONBETSUツアー
紋別(北海道)
体験と食、景観で流氷のまち紋別は実は夏も面白かった
北海道のオホーツク海側、ほぼ中央に位置する紋別市。紋別といえば冬の流氷ですが、「実は夏も面白い」をテーマに夏場の観光開発に取り組んできました。
《体験》日本で唯一アザラシのみを保護・飼育する施設などでは、アザラシと触れ合うことができ、のんびりマイペースなアザラシたちに癒されます。流氷研究のためにつくられたオホーツクタワー海底階には、オホーツク海にすむ魚たちの水槽があり、ぷっくぷくでかわいらしいフウセンウオが迎えてくれます。
《食》紋別には夏場が旬の海産物が多くあります。例えば、ホタテは春先から11月ごろまで漁が続きますが、8月前後の真夏に貝柱が一番おいしくなる旬を迎えます。港ではさまざまな魚介が揚がり、紋別一の社交場である「はまなす通り」でその時々の旬を楽しむことができます。
《景観》素晴らしい自然や、自然の恵みがもたらす豊かな人の営みがあり、思わず写真を撮りたくなる風景があります。野鳥と草花の楽園であるコムケ湖はサンゴ草で赤く染まり、ホタテ干し貝柱を製造する工程の「天日干し」では貝柱が夏空の下で黄金色の輝きを放ちます。
Check Point
・のんびりマイペースでかわいいアザラシとの触れ合い
・紋別の社交場「はまなす通り」で紋別の旬を丸かじり
・自然と自然の恵みがもたらす素晴らしい景観巡り
室蘭・伊達・登別 北海道開拓の足跡巡り
登別(北海道)
北海道開拓の足跡~アイヌ文化時代を経て現代へ~
登別市、室蘭市、伊達市を含む西胆振圏は、洞爺湖有珠山ジオパークや支笏洞爺国立公園内に位置するとともに広大な太平洋に面しており、水平線を180度見渡すことができます。海・山共に北海道らしい自然の景色が凝縮した、世界にも誇れる雄大な景観を形成しています。
また、登別市には古くは先住民族アイヌの時代から養生に使われてきた天然温泉資源があり、室蘭市には日本の近代化を担った巨大工場群や鉄を中心とした「ものづくり」のノウハウなどの産業観光資源が、伊達市には武士たちによる北海道開拓の成果である新鮮で種類豊富な野菜や果物を中心とする農産物資源など、それぞれが道内でも屈指の地域資源を有しています。
さらに、太平洋に良好な漁場を有する登別市、静穏な噴火湾に面する室蘭市と伊達市は、品質の高い水産物の宝庫でもあります。
古代からアイヌ文化の時代を経て、武士が開拓に入り現代へ続く北海道開拓の足跡。雄大な景観に産業と食、そして心も体も癒やされる温泉など魅力が丸ごと凝縮された登別市、室蘭市、伊達市で北海道をぜひご堪能ください。
Check Point
・北海道開拓の足跡が地域に満載
・北海道の大自然と雄大な景色を堪能
・北海道の新鮮な食材を使用した食の宝庫
湊町酒田の傘福
酒田(山形県)
時代や地域ごとのさまざまな思いと願いが込められている
江戸時代後期から、家族の幸せや子どもの成長を願いつくった飾りを傘につるし、神社仏閣に奉納していた傘福。人々の思いを現代に受け継ぐ鮮やかな酒田の傘福は、九州柳川のさげもん、伊豆稲取のつるし飾りと共に、日本三大つるし飾りに数えられています。
傘福は、布地を縫い合わせてつくった細工物を、幕を巡らした傘の内側に下げたものです。
いくつもの神社仏閣を巡っていくと、傘福に込められた人々の願いが分かってきました。昔は赤ん坊が小さいうちに亡くなってしまうことが珍しくありませんでした。食べ物にも苦労していた時代で、母親のお乳が出にくいこともあって、赤ちゃんに十分なお乳が出ますように、そして、子孫が繁栄しますようにと、女性たちは一針一針、心を込めて縫い上げた細工物を、神社仏閣に奉納したそうです。はしかなどの病気が流行すれば、檀家が飾りをつくって傘福につるし、病の退散を祈りました。
また、戦時中は戦地へ行った方の無事を祈り、ヘルメットや日の丸、短刀などがつるされたり、細工物には地域色も反映されていたりと、時代や地域ごとのさまざまな思いと願いが込められていたようです。
Check Point
・北前船の交易で栄えた湊町
・日本三大つるし飾りの一つ
・一針一針、心を込めて
眠らない新庄の熱い冬があなたを待っている!
新庄(山形県)
熱くて眠れない新庄の冬!2日間の旅ストーリー
東京駅発19時16分。週末金曜日の仕事終わりに、山形新幹線「つばさ」に飛び乗ろう! 22時45分、終着駅新庄に着くと、雪にすっぽり覆われたまちが眼前に広がる。雪明りに照らされ歩いて3分、そこは昭和レトロな飲食店街「曙町」。スナックの扉を開くと人情味溢れるママたちが出迎えてくれる。うまい酒と最近話題の「とりもつのアヒージョ」に舌鼓。ほどなくして「真夜中2時の除雪車出動見学ツアー」の出発時間。大小さまざまな除雪車が一斉に出動する様子は、まるで映画のワンシーン! 雪国のオトコたちの勇壮で華麗な除雪技も見逃せない。興奮と感動の30分。
翌朝、舟形マッシュルーム入りカレーでパワーチャージ! 少し遅めのチェックアウト。向かう先は駅から徒歩3分の「雪国ワンダーランド」。スノーモービルにバナナボート、ソリ遊びを堪能。防寒着、長靴もレンタルOK。帰りの新幹線の時間が近づいた。物産館で土産品を眺める。あった! 昨夜に食べた「とりもつのアヒージョ」。
眠らない熱い冬の新庄で心も体もリフレッシュできるプランで皆さまをお待ちしております。
Check Point
・まるで映画のワンシーン! 真夜中2時の除雪車出動見学
・新庄の女子(しんじょし)に人気! とりもつのアヒージョ
・駅から徒歩3分! 雪国ワンダーランドでHOTな冬体験
戦国武将ゆかりの地を巡る三国同盟必勝祈願の旅!
上田・上越・甲府(長野県・新潟県・山梨県)
戦国武将ゆかりの地で「学ぶ!」「食べる!」「必勝祈願!」
上田・上越・甲府商工会議所は、広域観光連携「三国同盟」を締結し、「必勝祈願の旅」シリーズを全国に向けて発信しています。
長野県上田市は真田幸村公、新潟県上越市は上杉謙信公、山梨県甲府市は武田信玄公ゆかりの地。強い武将にあやかる〝三国同盟・必勝祈願の旅〟をご紹介します。
上田市では、徳川氏の大軍勢を2度にわたって撃退した歴戦の名城上田城を中心に、眞田神社をはじめとする神社仏閣など、真田氏ゆかりの地を巡ります。 上越市では、天然の要害を持つ難攻不落の山城とされ国の史跡にも指定されている春日山城を中心に林泉寺をはじめとする神社仏閣など、上杉氏ゆかりの地を巡ります。
甲府市では、甲斐国の総鎮守である武田神社を中心に甲斐善光寺、長禅寺など武田氏ゆかりの地を巡ります。
必勝祈願ポイントでは、おもてなし武将隊や名物ガイドが登場し、普段聞くことができない裏話やエピソードをより深く、時にはユーモアを交えて解説します。
「食」の魅力も見逃せません。地元の食材を使った伝統料理からB級グルメなど上田・上越・甲府の「食」をご堪能いただきます。
地元バス会社が地元ならではの企画でルートを設定し、遠方からお越しになる皆さまもご満足いただける内容です。是非一度この〝三国同盟・必勝祈願の旅〟をお楽しみください。
Check Point
・真田氏、上杉氏、武田氏の聖地で必勝祈願
・武将隊など名物ガイドによる案内で歴史を楽しく学ぶ
・郷土料理からB級グルメまで3地域の海の幸、山の幸を堪能
ヒスイのまち糸魚川で体験できること大集合
糸魚川(新潟県)
海や山を楽しむ「17の体験メニュー」「定期観光バス」
日本の国石〝ヒスイ〟。このヒスイが特産の糸魚川では、ヒスイ拾い体験、勾玉づくり体験はもちろん、魚市場での昼セリ市見学、まち歩き・酒蔵見学、星空見学、ホタル見学など海や山で楽しめる「17の体験メニュー」や5月に『いといがわ「花旅」花物語』、7~8月に『いといがわ「学旅」ひすい探索隊』、9月に『いといがわ「探旅」ヒスイ発見』を運行します。冬季には日本海の荒波を体験する『日本海紀行』など四季折々の糸魚川の魅力を楽しめるお得なガイド付き日帰りツアー「糸魚川定期観光バス」を運行しています。
上杉謙信が武田信玄に塩を送ったという逸話「敵に塩を送る」の舞台となった「塩の道」を知っていますか。この「塩の道」の日本海側の起点は糸魚川とされ、長野県大町、松本、塩尻まで古くから人、物、情報の交流が図られてきました。このように歴史的結び付きの強い越後(糸魚川)~信州(塩尻・松本)広域圏は約3時間の圏内でもあり、それぞれの個性ある観光コンテンツをつなぎ合わせた新たな「塩の道広域観光」を楽しむことができます。
Check Point
・海や山を体験できる「17の体験メニュー」で楽しめる
・四季を楽しむ「ガイド付き定期観光バス」で楽しめる
・長野県塩尻、松本、大町との塩の道広域観光で楽しめる
魅力いっぱいの観光都市!まち歩き、山歩きで松本を満喫!
松本(長野県)
城下町で凝縮された魅力的な自然・文化・歴史を体感
城下町松本は、魅力的な観光スポットが沢山あり、まち全体がまるごと博物館のように感じられ、文化と歴史に触れることができます。
市街地観光で人気なのは、国宝五城の一つ・松本城、芸術家・草間彌生氏の作品が展示されている松本市美術館、擬洋風建築の重要文化財・旧開智学校などです。
各スポットへは、まち歩きで移動することで、蔵の町・中町通りや随所にある湧水群を巡ることができます。歩くたびに新たな発見があり、その豊富な観光資源は訪れた人に感動を与え、癒やされる旅を提供します。また、四季折々、多くのイベントが観光客を魅了します。
北アルプスを望む城下町、日常の中に絶景があるまち中を抜けると、大自然・高原が広がる日本屈指の山岳リゾートが松本のまちを包み込んでいます。日本を代表する山岳景勝地・上高地や日本一広い高原台地・美ヶ原高原で大自然を満喫した後は、多彩な泉質を有する16の温泉郷が体を癒やしてくれます。
北アルプス連峰を貫く塩の道広域圏では、豊かな大自然と地の利を生かした海・山・里の幸が味わえます。伝統的な各地域の郷土食や地元グルメの食べ比べはいかがでしょうか。
Check Point
・城下町全体が丸ごと博物館
・雄大な自然で心を癒やす山岳観光
・新潟県糸魚川、長野県大町、塩尻との塩の道広域観光で食を楽しむ
〝食〟を楽しみ〝歴史〟を感じる
塩尻(長野県)
刻まれてきた歴史、受け継がれてきた伝統を感じる
塩尻市は長野県のほぼ真ん中、つまり日本のほぼ中心にあります。そのため古くから交通の要衝で、各地からのアクセスは良好です。そんな塩尻市はさまざまな歴史を刻み、伝統を受け継いできました。例えば「食」にスポットを当てると、特産品の塩尻産ワイン。そのワインづくりの歴史は一世紀を数え、現在国内外でも高い評価を受けています。他にも塩尻は「そば切り発祥の地」として知られ、昔ながらの伝統を受け継いだおいしいそばを食べさせてくれるお店がたくさんあります。また、郷土料理の山賊焼も絶品です。
食以外にも400有余年の歴史を持つ特産品木曽漆器や、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、今でも日本の情緒を色濃く残す奈良井宿。たくさんの歴史に触れ合えます。
また、塩尻はかつて塩を運ぶ道であった「塩の道」の最終点といわれています。この「塩の道」は日本海側糸魚川から、大町、松本を通り、古くから交流が図られてきました。塩の道の広域圏はそれぞれに特徴ある観光コンテンツを持っています。過去にこの道を旅した人々は何を感じていたのか……。過去に想いを馳せながら現在の「塩の道」の観光を楽しんでください。
Check Point
・伝統を受け継いできたおいしい食
・歴史を感じる木曽漆器や奈良井宿
・新潟県糸魚川、長野県大町、松本との塩の道広域観光で楽しめる
黒部ダムだけじゃない!新しい信濃大町の魅力
大町(長野県)
2020年開催「北アルプス国際芸術祭」へ行こう!
長野県北西部に位置する大町市は、3000メートル級の山々と澄んだ空気に恵まれ、古くは〝敵に塩を送る〟のことわざの舞台ともなった「塩の道」、千国街道の宿場町として栄え、新潟県糸魚川と、長野県松本、塩尻とは古くから強い結び付きがありました。
「仁科三湖」といった湖や温泉などの自然環境に恵まれたこの地域は、北アルプス登山の拠点として、また富山県と長野県を結び、黒部ダムなどの観光資源を持つ山岳ルート「立山黒部アルペンルート」の長野県側の玄関口として多くの観光客でにぎわっています。
近年は、現代アートに力を入れ、総合ディレクターに北川フラム氏を迎えた、「北アルプス国際芸術祭2017~信濃大町食とアートの廻廊~」を開催するなど、土地固有の生活文化を表現する「食」と、地域の魅力を再発見する「アート」の力によって、大町市に内在するさまざまな価値を掘り起こし、既存の観光スポットや、普段何気なく見ている自然と現代アートを融和させた、新しい大町市・北アルプス山麓の地域資源を世界に発信することで地域再生のきっかけとなることを目指しています。
Check Point
・観光スポットと自然と現代アートの融合
・市内周遊バスで観光、まちなか歩き、体験教室を楽しむ
・やっぱり「黒部ダム」と「黒部ダムカレー」は外せない
渥美半島ここにしかない感動を巡る
豊橋(愛知県)
渥美半島の魅力。五感で感じる旅に出掛けよう
愛知県の南東部にある渥美半島は、風光明媚(めいび)な三河湾と勇壮な太平洋に囲まれ自然豊かな地域です。
冬でも温暖な気候で快晴日数は全国トップクラス。この恵まれた気候を生かし、キクやバラなどの花き栽培、イチゴやメロンなどの施設野菜・果物、キャベツなどの露地野菜、肉用牛などの畜産など、渥美半島の農業は日本一です。
レストランバス「渥美半島」では、農産物と花の産地を巡り、この土地でとれた農産物のその瞬間でしか味わえないおいしさと花の美しさを体感いただきます。生産者の声、触れ合い、笑顔もお届けします。
地元のつくり手だけが知っている、食材の本当においしい時期や特徴。そして、そんな特徴を最高に生かす、シェフならではの洗練された技術が融合しました。つくり手とシェフが一緒になってつくり上げる〝ここにしかない料理〟がお待ちしています。
この土地にあるまだ発掘されていない魅力的な資源(生産物、生産者、料理人)で観光メニューを組み立て、レストランバスを用いて産地を回り、ここにしかない魅力を提供します。
Check Point
・最高のタイミングで美しい風景に感動する
・最高のタイミングでおいしさを知る
・最高のタイミングで料理を味わう
「歴史を楽しむ城下町、彦根」で浪漫ウォーク
彦根(滋賀県)
歴史を楽しむ城下町彦根で体験&美食の浪漫ウォーク
世界遺産暫定リスト登録の国宝彦根城や大名庭園玄宮園など「歴史を楽しむ城下町、彦根」では、本物の体験や美食を満喫する「彦根浪漫ウォーク」がオススメ。
プランは五つ、①「袴散策プラン」では、時代をタイムスリップした気分でお散歩を楽しめます。②「きき茶体験」は、創業江戸宝暦6年の日本茶専門店で近江政所茶のきき茶が楽しめます。③彦根藩初代藩主井伊直政公ゆかりのお寺での「朝坐禅体験」では一字写経も楽しめます。④彦根の地場産業で350年以上の歴史を誇る彦根仏壇の技術の一つを体験する「金箔押し体験」では、鶴亀や干支のレリーフをつくってお土産にできます。
そして美食ファンには、⑤「角打ち体験」において、日本が誇る発酵食品である鮒ずしや湖魚のつくだ煮をあてに、地酒の飲み比べや地元ビール会社直送の新鮮ビールも楽しめます。
そして外せないのが日本三大和牛で最古の歴史を誇る近江牛です。霜降り度合いが高く、脂の口溶けが最高の牛肉は、すき焼き、しゃぶしゃぶ、すし……とどれも最高。
そして、みんな大好きな「ひこにゃん」は、彦根城や彦根城博物館だけでなく、大正ロマンあふれる四番町スクエアでも会えますよ。
Check Point
・国宝彦根城がおうち〝ひこにゃん〟に毎日会えるまち
・袴散策・きき茶・朝坐禅・角打ち・金箔押し本物体験
・和菓子、近江牛、湖魚、お酒など近江美食を楽しむ
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