島田YEG
全国のYEGでは、地域の特性に応じたさまざまな事業に取り組んでいる。今回は、島田YEG(静岡県島田市)が2019年8月24日に実施した第6回「未来創造プロジェクト(事業名:みらぷろ)模擬面接」について紹介する。
2019年8月24日に静岡県島田市で「未来創造プロジェクト(事業名:みらぷろ)模擬面接」が開催された。
「みらぷろ」は、島田YEGが地域の高等学校と連携して実施している事業で、若手経営者が人前で話す経験を積み自身のスキルアップにつなげること、若者に地元企業の魅力を伝えることを目的とした高校生への職業講話と模擬面接で、14年度から始まり、今年度で6年目を迎えた。今回は、就活生と面接官役のYEGメンバーによる就職模擬面接を実施した。
YEGメンバーの中には、人材確保のために面接する機会を持つ者もおり、面接する側の印象は就活生にとても強い印象を残すと語る。適切な面接スキルを身に付けた面接官は、就活生に、個人としてより企業として良いイメージを与える。「面接時の悪印象は企業の悪印象」と捉え、この事業を通して、YEGメンバーが人前で話の構成を考え、分かりやすく伝えることができる経営者になるよう自己研鑽(けんさん)することが最大の目的である。
また、この模擬面接を行うことで、地元企業の魅力を発信することができ、就活生も本番さながらの面接練習ができ、YEGメンバーも面接のスキルを養うことができるため、両者ともにメリットがある。この事業案を考えたのは入会間もないYEGメンバーで、考案時に、「就職試験の勉強は自分でもできるけど、面接の練習は慣れ親しんだ先生としかできなかった。本番の面接試験では、緊張して何を話したら良いか全く分からなかった。そんな就活生の悩みを解消してあげたい。さらには面接する側も良い経験になるのではないか」という何気ない一言から始まり、今では地元テレビ局の番組トピックスに取り上げられ、地元の新聞にも掲載される事業となっている。今回の模擬面接は、島田YEGメンバー39人、私立・公立高校の生徒77人、引率教員3人の合計119人が参加して行われた。
就活生はあらかじめ履歴書を作成し、指定された面接時間に自ら出向き、受け付けを済ませた後に面接会場で本番さながらの面接を受けた。面接官役のYEGメンバーは、事前に調べた面接試験の応答例を参考に、聞いてみたい質問を事前に集め、時には生徒が困ってしまうような質問をあえて取り入れるなどの工夫を行った。 中には緊張のあまり手足が震える生徒や、入室時から表情がこわばる生徒もいたが、模擬面接終了後に再入室してもらい、面接時とは打って変わった和やかな雰囲気の中、履歴書の印象、面接態度、話し方、声の大きさなどについてアドバイスを行った。就活生からは、初めて会う経営者を前に「本番のような雰囲気で緊張感のある中で面接ができ、とても勉強になった」「企業側から面接の考え方、意見を聞くことができ非常に良かった」「来て良かった。後輩にも勧めたい」などの感想があり、YEGメンバーは新鮮な意見を聞くことができた。
面接官役のYEGメンバーは「人を見るための要点を学べた」「相手の良さを引き出し、流れをつくる構成を考えることがとても難しく、勉強になった」など、初めて経験するメンバーにも自企業を運営する上で貴重な経験となり、良い刺激となった。
令和元年度島田YEG会長・山田良樹氏のコメント
この事業はメディアに取り上げていただいたことで、多くの皆さんに島田YEGを知っていただけたことや、私たちが企画して実施している事業を知っていただき、大きな意義のあるものになっています。実施の際、面接時の質問を考えて、今の時代に合った質問をすること、経営者として必要な話す力、聴く力、人を見る目など、多くを学ばせていただきました。そして、今年度は初めて他地区の単会である厚木YEGに、オブザーバーとして参加していただきました。私たちYEGは県連、ブロック、全国などでつながっていますが、他の単会が行っている事業を知る機会は少ないと感じていました。今回、厚木YEGにも参加していただいたことで、他の単会の事業で参考になるものがあれば、もっと発信していただき、取り入れていくことも必要だと改めて感じました。
取材・写真撮影:日本商工会議所青年部(日本YEG)広報委員会
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