日本YEGは、平成29年度に、設立35周年を迎えた。そこで、35周年記念事業を、6100名を超える参加登録者数を記録した「第37回全国大会 岐阜かかみがはら大会」と併せて実施した。
35周年委員会の取り組み「復興防災フォーラム」
私たちが住む日本は、地震や台風などによる自然災害が全国各地で発生し、甚大な被害を受けております。経営者として、万一に対する備え(防災・減災対策)や困ったときの相互支援は必要不可欠だと考えています。それを踏まえて、その一助になることを目的として二回開催しました。
「日本商工会議所青年部 第37回全国大会 岐阜かかみがはら大会 記念講演事業」
講演テーマ
過去から学び 未来を創造する〜明治維新150年 商工会議所創立140周年 なぜ今、渋沢栄一なのか〜
開催日時・場所
平成30年2月17日、岐阜県各務原市 岐阜メモリアルセンター で愛ドーム
開催目的
明治維新から150年、商工会議所創立140年の節目を迎えるにあたって「過去から学び、未来を創造する~明治維新150年 商工会議所創立140周年 なぜ今、渋沢栄一なのか~」をテーマに渋沢栄一の玄孫(やしゃご)にあたる渋澤健(しぶさわけん)氏を招き、渋沢栄一の経済思想などを踏まえ、ここ数年の中小企業を取り巻く事業環境の厳しさなどを振り返り、中長期的なビジョンを考え質の高い目標を掲げ、未来創造を目的とした企業経営のあり方などについて学びました。
講師紹介 渋澤 健氏
伊藤博文や大隈重信とともに商工会議所の前身となる東京商法会議所の設立に関わり、初代会頭となった渋沢栄一の玄孫であり、コモンズ投信を中心に多くのメディアに登場し多数のビジネスや渋沢栄一関連の書籍を出版している。
【経歴】コモンズ投信会長。シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役。1961年生まれ。83年米テキサス大工学部卒。87年カリフォルニア大学ロサンゼルス校MBA経営大学院卒。JPモルガンなどを経て、2001年に独立し、07年コモンズ株式会社(現コモンズ投信)を創業、08年会長就任。
著書:『渋沢栄一 人生を創る言葉50』(致知出版・2017年)
『人生100年時代のらくちん投資』(日経ビジネス人文庫・2017年)他多数
講演概要
渋沢栄一翁が残された『論語と算盤』について、現代社会において置き換えた考え方をしっかりと伝えていただきました。
黒船の来航から国の状況を憂いてフランスに渡り、先進的な資本主義社会を目の当たりにした栄一翁。これからの日本が欧米諸国並みに成長するためには必要不可欠と考え、国内の産業・金融・教育・医療など多岐にわたる会社・学校の創設に深く関わられたこと、近年国内だけでなく海外においても栄一翁の経済思想は大きな反響を得ていること。商工会議所創設者の考え方が海外においても評価を得ていることを改めて感じてもらいました。また、日本YEG創立35周年という節目の年に、われわれのルーツとなる栄一翁の経済思想に触れ、これからの私たちの経済活動にとって格言的なメッセージを得ることができた素晴らしい講演となりました。
「35周年委員会委員長を経験」29年度 35周年委員会 委員長 前田 真吾氏(宮崎YEG)
自分が委員長を務める29年度が日本YEGの35周年に当たる年になりました。
日本YEGは多くの単会メンバーから構成される連合体です。これまでの35年間にはそれぞれ単会の歴史があり、それぞれの会長たちのつくったスローガンなどの取り組みがあると思っています。35年間積み上げられたYEGというつながりを最大限に生かし、復興防災フォーラムを開催し、災害時に企業や経営者がどうあるべきか、どんな準備をして災害に対して向き合う必要があるのかを共有し学びました。われわれとゆかりの深い渋沢栄一の玄孫であり、企業家としての先輩である渋澤健氏から、「過去から学び 未来を創造する」をテーマに講演をお願いし、渋沢栄一の後輩であるわれわれ青年経済人へエールを送ってもらいました。また35年間の歩みや取り組みなどを振り返り紹介することで、40周年に向けて今までの活動を未来につなげる礎も用意しました。35周年委員会という高い志を持つ仲間たちと地域に貢献することを常に考え活動ができたことを誇りに思っています。
最後に、記念講演開催に際し、渋澤先生をはじめご協力いただいた全ての皆さまに御礼を申し上げます。
「35周年という一年を振り返って」29年度 日本YEG 会長 吉田 大助氏(岡山YEG)
「古人の跡を求めず 古人の求めたるところを求めよ」
こんな言葉があります。自分自身の節目のときに「先人の跡を追うな。先人たちがそのときに考えた志を追い求めなさい」という意味として心に刻んで行動しています。
日本YEG35周年という節目ではありましたが気負うことなく、今この時代に活動している全国のYEG、そして同志の皆さんのためになることだけを考え続け、一心不乱に前向いて進んできたつもりです。
おそらく34年間の先人方も同じ志だったのではないか。その一年一年が「礎」の年になっている、と最近思います。そして4月からは熱きパッションを持つ新しい会長とともに36回目の「礎」の年がスタートします。バトンを渡せることに大きな安堵感と喜びを感じます。
今後も、日本商工会議所という経済界を代表する組織の青年部でなければ成し得ないことを実行し、全国のYEGの皆さんの力を結集すれば大きな力を発揮できることを実感するような組織であり続けることを期待して、一年間の総括といたします。
一年間ありがとうございました。
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