日本商工会議所は6月6日、「働き方改革関連法の認知度・準備状況に関する調査」の結果を公表した。法律に盛り込まれた内容について「知っている」と回答した企業の割合は、「時間外労働の上限規制」が前回調査(調査期間2018年10~12月)比プラス19・1ポイントの79・5%、「年次有給休暇の取得義務化」が同プラス14・5ポイントの89・9%、「同一労働同一賃金」が同プラス16・6ポイントの68・1%と、認知度は前回調査から上昇した。調査期間は3月25日~4月25日。全国2775社から回答を得た。
法律に盛り込まれた内容の認知度について従業員規模別に見ると、50人以下の企業においては、時間外労働の上限規制が71・8%(前回調査比プラス24・2ポイント)、年次有給休暇の取得義務化が85・8%(同プラス20・2ポイント)、同一労働同一賃金が60・0%(同プラス20・5ポイント)と全体に比べ認知度は低いが、前回調査から大幅に上昇した。
各内容の準備状況について、「対応済み・対応のめどが付いている」と回答した企業の割合は、時間外労働の上限規制が63・1%(同プラス17・2ポイント)、年次有給休暇の取得義務化が77・3%(同プラス33・3ポイント)と大幅に上昇した。一方、同一労働同一賃金は36・0%(同プラス5・0ポイント)となり、あまり準備が進んでいない状況がうかがえる。
各内容の対応に当たっての課題については、時間外労働の上限規制では、「特定の時期に業務が過度に集中する」(47・7%)や「業務量に対して人員が不足している」(45・0%)といった人手不足や業務の繁閑に関する項目が上位を占めた。また、取引先からの「急な仕様変更などへの対応」(33・2%)も多く挙げられていることから、下請け取引適正化対策の強化が求められる。年次有給休暇の取得義務化についても、「業務量に対して人員が不足している」(40・1%)、「特定の時期に業務が過度に集中する」(32・3%)が上位となった。
同一労働同一賃金については、「同一労働同一賃金の内容が分かりづらい」(48・0%)が最多。次いで、「増加した人件費を価格転嫁できない」(31・9%)となった。
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