日本商工会議所は6月30日、6月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を発表した。調査期間は6月15~19日。全国422商工会議所が2986企業にヒアリングした。
6月の全産業合計の業況DIは、マイナス15・3と、前月からマイナス1・8ポイント悪化した。
日商では、「円安の影響によるコスト増が続く中、取引価格への転嫁が遅れているほか、人手不足や人件費の上昇が中小企業の景況感を押し下げた」と分析している。他方で、回復のペースにばらつきはあるものの、好調なインバウンドや株高・賃上げを背景に、個人消費は持ち直しに向けた動きが続くほか、設備投資も回復の兆しが見られていると指摘。「中小企業の景況感は、比較対象となる前年同月に、消費税引き上げの影響が残っていたことへ留意が必要であるが、総じて見れば緩やかな回復基調が続いている」としている。
先行きについては、先行き見通しDIがマイナス14・8(今月比プラス0・5ポイント)とほぼ横ばいを見込む。日商では、「賞与増を含む賃上げやプレミアム付商品券をはじめとする政策効果などを背景に、夏以降の個人消費、設備投資の回復を期待する声が聞かれる」と指摘。しかし、円安に伴う一段のコスト増や価格転嫁の遅れ、労働需給の逼迫(ひっぱく)による人件費の上昇などへの懸念から、先行きに慎重な見方も伺える。
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