日本商工会議所はこのほど、「2019年度地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」の対象プロジェクト51件を決定した。同事業は、各地商工会議所が地域の小規模事業者と連携して行う新たな特産品・観光商品開発や地域が抱える社会的課題を解決するためのコミュニティービジネス創出を支援するもの。06年度の開始以降、これまでに1千件を超えるプロジェクトが生まれている。
支援の対象となる事業は、①地域資源を生かした新製品の開発と、開発した製品などの全国への販路開拓、②伝統工芸や農業・漁業などの体験型観光など、地域の特色を生かした観光開発、③コミュニティービジネス、まちづくり、介護・福祉などの地域の課題解決に資する事業─の3分野。各地のプロジェクトを、複数年度(最大3年間)にわたりサポートする。
日商では、採択されたプロジェクトを総合的に支援するため「feel NIPPON」事業を展開。全国規模の商談会・展示会への共同出展、各プロジェクトへの専門家派遣などを通じて、全国規模の市場展開に向けた地域発の取り組みを支援する。
今回採択された51件の内訳は、次年度の事業実施を見据え事業計画を策定する「調査研究事業」が14件、特産品・観光開発などに本格的に取り組む「本体事業1年目」が29件、1年目の結果を踏まえ、商品改良などを行う「本体事業2年目」が8件となっている。
蒲郡商工会議所(愛知県)は、健康増進に効果がある地元の温泉や三河湾を活用したアクティビティーを造成する。地域の魅力を生かした働く人の健康づくりをサポートするヘルスケアツーリズムを推進することで、観光交流人口の増加につなげる。
高松商工会議所(香川県)は、地域資源である盆栽を活用する。体験型観光商品を開発するため、モニターツアーを実施するほか、旅行者が安心して持ち運びができる盆栽容器の試作を通じ、観光客による消費拡大を目指す。
日向商工会議所(宮崎県)は、日向の強みである「サーフィンがいつでもできる環境」に着目した日向への移住促進に取り組む。実際にサーフィンを目的に移住してきた移住者に対して、どのような経緯で移住に至ったのかなどを調査し、今後の施策や戦略の展開に生かす。
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