留萌市は、北海道の西北部の日本海に面しており、小樽市から稚内市へのほぼ中間点に位置しています。江戸末期から昭和29年までニシン漁で「千石場所」(ひと場所で千石も取れる)と呼ばれるにぎわいを見せていました。当時ニシン漁をしていた労働者を「やん衆」と呼びましたが、彼らの心意気を現在につなげる「吞涛(どんとう)まつり」は、留萌の夏を彩る一大イベントです(吞涛とは:シケでも嵐でもドンとこい、すべて呑みつくしてやるという心意気に由来する)。
ニシンが取れなくなってからは、カナダ、アメリカなどから冷凍ニシンおよび原卵を輸入し、伝統あるニシン加工の技術と数の子の品質向上にまい進しました。そして「全国一の生産量と品質を誇る留萌の数の子」と評価されるようになりました。数の子はDHAとEPAを多く含み、中性脂肪を低下させる機能が認められております。ぜひ留萌の数の子をお召し上がりください。
私の勤務先の留萌信用金庫は、昭和7年12月23日に創立され、現在で86年目になります。当金庫の事業規模は、預金残高2002億円、貸出金残高951億円、営業地域は留萌、旭川、札幌を主要地区に店舗数17店舗、常勤役職員は163人です(平成29年3月末現在)。当金庫は、地域社会の一員として地域の中小企業や住民に強い絆とネットワークを形成し、地域経済の持続的発展に努めております。また、金融機能の提供にとどまらず、文化・スポーツ・教育なども視野に入れ、広く地域社会の活性化に積極的に取り組んでおります。
私は現在、当金庫の理事長を拝命しております。おかげさまで職場では、素晴らしい先輩、同僚に恵まれました。新入職員時代、野球部ではストライクが入らないのにエース。日本最北の地酒「國稀(くにまれ)」で上下関係を教えられ、ゴルフではドラコンの計測のため、林の中に待機しボールを散々打ち込まれ、このときに人生を鍛えられました。こうした経験から、リスク感応度と協調性が養われ成長することができました。現在においても時代背景こそ違いますが、個人力とチーム力の強化の重要性は変わってはいません。会頭に就任するにあたっても会議所メンバーとのパートナーシップの強化を方針の一端に掲げています。
今後も、金融人として養われた知識、経験を発揮して留萌商工会議所の持続的発展のため頑張ってまいります。
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