船橋市は平成27年3月、人口が62万人を超え、全国に20ある政令指定都市を除くと日本一人口の多い都市になりました。東京から20㎞圏内にあり、9路線35駅を擁する鉄道網とともに、工業地、商業地、住宅地、農地が広がり、バランスのとれた発展を遂げてきました。現在も人口の増加が続いている魅力ある都市です。市の非公認キャラクター「ふなっしー」や日本の人気テーマパークで3位の「ふなばしアンデルセン公園」の存在も大きいと思います。
船橋は江戸時代、成田街道の宿場町として栄えましたが、明治時代に総武鉄道(現JR総武線)が開通すると商業の町へと変貌しました。明治41年、その中心地に、当社の前身の伊藤時計店が創業しました。戦後から高度成長期にかけてレコード販売やオルガン・ピアノなどの楽器販売に進出。同時期にヤマハ音楽教室も開設し、現在の当社の業務につながっています。
私は16歳の頃から、社員と一緒に学校にオルガンを納品するなど、社長である父の仕事を手伝っていました。大学卒業後は異業種の会社やヤマハに勤務し、24歳のときに常務として会社に戻り、早いものでそれから50年がたちました。
私の人生の中で誰よりも薫陶を受けた人物は中村天風師です。師とのご縁により、生き方や生命の存在意義を教わりました。今、ここに生きていることの摩訶不思議なこと。自分が生きている限り、明るく前向きに生き、世のため人のために尽くしていくこと。師はこのことを繰り返し語っています。私は師の言葉を聞いて、少年の頃からの悩みが氷解するのを感じました。師から教わった人間の使命を私自身に置き換えて解釈し、当社の理念「音楽の普及を通して社会に貢献」という言葉の通り、愚直に一途に千葉県下の音楽普及に取り組んできました。今日、千葉県の小・中・高校の吹奏楽部のレベルは全国でもトップクラスといわれており、当社が50年にわたり各学校の部活動を支援し続けてきたことが多少なりとも寄与していると自負しています。
船橋商工会議所は「子育てゆうゆうふなばし」を掲げ、全国に先駆けて少子化対策に取り組み、一定の成果を収めています。また、船橋市は「千人の音楽祭」「MUSIC STREET」などのイベントにより、「音楽のまち・ふなばし」として魅力あるまちづくりを進めています。これからも音楽の普及活動を通じて、地域社会に貢献していきたいと思います。
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