日常を幸せにするアイテムを提供し人に喜ばれる企業へ
株式会社イクヌーザ 代表取締役 栗本 京(みやこ)
女性がオシャレを難なくできるように
手頃な価格でファッションを楽しんでもらいたい
「起業家になりたい!」と思ってもいなかった私が起業したのは、「こんな商品をつくったら売れるのでは?」などと企業にアドバイスしていたことを知った知人に、そんなに売れるものを提案できるなら自分たちでつくればいいのにと起業を勧められたことがきっかけでした。それまでの私は、ラグジュアリーブランドのグッチグループに勤めていたため、コンサルティングしていた会社を含めショッピングセンターなどで展開するブランドや商品をほとんど知りませんでした。ただ、仕事で関わるうちにラグジュアリーブランドに比べ、安い価格でこんなにレベルの高いものがつくれるのかと驚き、このマーケットには、たくさんのお客さまがいると実感したのです。
そこで、ラグジュアリーブランドを買いたくても買えないお客さまに手頃な価格でファッションを楽しめるアイテムをつくり、提供したいと思うようになりました。安いなりのデザインでなく、ちょっとした工夫で高そうに見えるのに値段が手頃というものを徹底的に研究し、提案しました。そのうちに、若い女性やモデルからも自社ブランドである「SOLO&DOUBLE」の靴は、ヒールが高くても足が疲れない、履きやすい、流行のものがお手頃に買えると話題になりました。
ポジティブと幸せを届ける
渋谷の109を中心としたギャルブーム全盛期に、次はOL系のニーズだろうとアイテム構成でヒールが低いものや普通っぽく見えるけど、ちょっとデザイン性があるものを用意したのに素通りされることもありました。しかし、OLが難なくオシャレに履けるものを、持てるバッグをとみんなで諦めずに追求した結果、ブームにも乗り、取り扱いブランドがOL系にシフトできたのです。それは当社に常に世の中のニーズを先読みして提案したいという企業風土があったからです。
近年、海外のファストファッションが日本に進出してきて、「安さ」「売れるもの」を追求した結果、各ブランドの個性は薄まり、どこでも同じような商品が並んでしまっている気がします。また、円安も追い打ちをかけ、アパレル産業にとっては逆風の時代です。こんな時代だからこそ、ポジティブになれる、ウキウキできる商品を提供できる企業になりたいと新たな試みをしています。
社員たちが世に出したいと始めた「Bloomy psykhe」は、日本製とハンドメードにこだわり、中国製にはない色合いと組み合わせ、日常にほんのりと幸せ感を与えてくれるお花のブランドです。デビューからさまざまなブランドで取り扱われ、ショップに新しいスタイルを生み出しています。また「ASHBLE」の国内生産で履きやすさにこだわった靴と、機能とスタイリッシュさを兼ね備えたバッグが話題です。これからも、どんなときでも、お客さまにポジティブと幸せを届けられる企業であり続けたいです。
会社データ
社名:株式会社イクヌーザ
所在地:東京都渋谷区
創業:平成18年
事業概要:製造・卸売業(靴、バッグ、アクセサリーなどの企画、製造、販売)
※月刊石垣2015年7月号に掲載された記事です。
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