コラム石垣 2016年3月1日号 中山文麿

英理論物理学者のホーキング博士は、人工知能が人間を置き去りにして進化し、2045年に人類を支配・滅亡させると警告した。最近の人工知能の発達には驚くばかりだ。

▼コンピュータはディープラーニング(深層学習)といって、人間の脳の神経細胞の信号処理技術を参考にしてつくられたメカニズムによって大量のデータに潜む特徴を自ら見つけ出し、分析・処理できるようになった。すなわち、飛躍的に賢くなったのである。

▼産業革命は内燃機関の発達によって肉体的な作業の生産効率を大幅に上げた。今回の人工知能革命は、われわれの知的作業の効率化と高度化をもたらす。しかも、これらの人工知能は通信技術の進歩によって全世界的につながってきた。その結果、人工知能はクラウドを通じてビッグデータやもののインターネット(IoT)から得られる情報から当初想定していなかったような価値のある分析結果を産みつつある。

▼今や、職人の勘などの暗黙知さえもが人工知能の統計処理・解析によってものづくりに生かせるのだ。このように人工知能を利用した産業化と事業化があらゆる業界や業際分野に及んできている。ドイツの第4の産業革命ともいわれる国を挙げて取り組んでいるインダストリー4・0もこの流れの中にある。

▼これから10年もすれば、今のスマートフォンがスーパーコンピュータレベルの処理も可能な機器に変貌するといわれている。そうなれば、これを利用した新しいビジネスチャンスが無限に広がってくる。われわれは自由に発想して日本経済に新しい息吹を吹き込みたいものだ。このような新しい時代には小回りの利いたベンチャーや中小企業が大企業よりも圧倒的に有利である。

(中山文麿・政治経済社会研究所代表)

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