政府は18日、「第8回一億総活躍国民会議」を首相官邸で開催し、一億総活躍社会の実現に向けた工程表「ニッポン一億総活躍プラン」の案を取りまとめた。同プランには、安倍晋三首相が「新3本の矢」として掲げた「名目GDP600兆円」「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」に対する具体的施策を提示。会議に出席した日本商工会議所の三村明夫会頭は、「2020年までにトレンドを変えるためのメニューが盛り込まれている」と評価する一方、恒久財源の確保について懸念を示した。政府は5月中の閣議決定を予定している。
一億総活躍プランでは、「名目GDP600兆円」について6年間、「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」について10年間の期限を区切って43のテーマに関する施策をいつ実行するのかを具体的に提示。「名目GDP600兆円」の実現に向け、ビッグデータ・人口知能などの活用促進による「第4次産業革命」、IT化などによる中小企業の生産性向上、インバウンド増による観光先進国の実現などを目指すとしている。「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」については、保育・介護人材の賃上げ、「同一労働同一賃金」の実現に向けた法改正の検討などが示されている。
三村会頭は、「あとは実行あるのみ」と強調。各項目に優先順位を付け、適切なKPIを設定し、PDCAを回すことを求めた。また、恒久財源の確保については、「社会保障給付の重点化・効率化の徹底をはじめ、世代間の負担の分配を軸にした社会保障改革によって生み出すことが必要」と主張した。
安倍首相は、「少子高齢化の下での持続的成長は、先進国に共通する課題。G7伊勢志摩サミットの議長国である日本が、G7各国に先駆けて、少子高齢化の克服に向けた道筋を示すことは大きな意義がある」と強調した。
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