日本商工会議所は9月20~24日、日中経済協会、日本経済団体連合会と合同で訪中団を派遣した。過去最大規模となる総勢約230人が参加し、産業協力促進へ中国政府幹部らと意見交換を行った。21日には、張高麗副首相と会談。日商の三村明夫会頭は、中高速成長への転換を図る中国経済にとって大切なこととして、「構造改革」と「イノベーション」の2点を強調し、「イノベーションを起こすには、新しい外国の考え方などを取り入れるためのビジネス環境の整備が必要」と訴えた。合同訪中団の派遣は昨年に続き2回目。
訪中団には、日商から三村会頭はじめ、岡谷篤一副会頭(名古屋・会頭)、上野孝副会頭(横浜・会頭)、伊藤一郎特別顧問(東京・副会頭)、釡和明特別顧問(東京・副会頭)らが参加した。
張副首相との会談で三村会頭は、「中国はすでに世界第2位のGDPを占める経済大国となり、現在の日中関係は成熟かつ対等の関係になっている」との認識を表明。「中国は世界経済の成長に貢献するという正の面と、中国の変動が世界経済にマイナスの影響を及ぼすという負の面の双方を合わせ持っている」と述べ、バランスの取れた政策運営を要望した。
張副首相は、「中国の構造改革、産業の高度化は日本にとっても先端技術などとの連携による新たな成長点、協力のハイライトとなる」と語り、日中両国の協力関係強化に期待を寄せた。また、「中国は改革・開放以来、絶えずビジネス環境を改善してきた。日本を含む外資系企業、中国企業のビジネス環境に対する要望をリストアップし、一つずつ解決することに努めている」と述べた。
日中企業家対話には、300人以上の企業経営者が出席。「世界に貢献する日中経済関係―供給サイド改革・過剰生産能力削減の中での企業経営努力」「イノベーションと日中起業協力」「100年後も存続するための企業経営戦略」の三つのセッションに分かれて議論を行った。そのほか、経済政策の策定などを担当する国家発展改革委員会、知的財産権保護などを担当する商務部、中小企業などを所管する工業信息化部などとの交流会も実施した。
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