内閣府はこのほど、わが国経済の現況や見通しなどを分析した「日本経済2015~16」(ミニ経済白書)を取りまとめ、公表した。白書は、「好循環の進ちょくと今後の課題」「企業のダイナミズムの向上に向けて」「わが国の対外的な稼ぐ力」の三章構成。今後の課題として、個人消費の5割に迫る高齢者の働き方改革などを提言した。
白書では、少子高齢化の進展で高齢者層(60歳以上の世帯)の消費支出シェアが年々高まっている一方、無職世帯の可処分所得と消費が少ない点に着目。就労を希望する高齢者の労働参加の実現に向け、雇用可能性の拡大、労働市場への参入障壁の撤廃、働き続けることを促すインセンティブの強化など労働環境の整備の重要性を指摘している。
具体的には、短時間勤務などの柔軟な労働時間を選択できることや高齢者が技術や技能の習得をしやすい研修の普及などを提言。個人消費の約半分を占める高齢者層で勤労世帯が増加することによる消費に与えるインパクトを強調した。
また、成長力の向上に向け、起業による市場への参入や起業後の成長、市場からの退出などの動きを円滑化することの重要性を指摘。企業の成長段階に応じた資金調達手段の多様化などについても提言している。
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