日本商工会議所はこのほど、9月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果とともに、2016年度の所定内賃金の動向について、全国の企業にヒアリングした結果を発表した。
2016年度に賃金の引き上げを実施した企業(予定含む)(全産業)は58・3%と、2015年9月調査と比べ、1・6ポイント減少した。他方、「現時点では未定」は21・2%と13・8ポイント増加。「見送る」は、20・5%と12・2ポイント減少した。
賃金引き上げを実施した企業(予定含む)を業種別に見ると、「建設業」「製造業」「卸売業」は60%を超えた。一方、「サービス業」は52・8%、「小売業」は45・3%にとどまった。
賃金引き上げの内容は、「定期昇給」が81・6%でトップ。「ベースアップ」(28・5%)、「手当の新設・増額」(11・5%)が後に続く。
ヒアリングした企業からは、「大幅な最低賃金の上昇に対応したことに伴い、正社員にも人材定着を目的に同程度のベースアップを実施する」(ビルメンテナンス)、「人材確保を目的に賃金を増額したいが、売り上げが思うように伸びないため、賃上げの方法を決めかねている」(ゴム製品製造)といった声が聞かれた。