日本政府観光局(JNTO)はこのほど、7月の訪日外客数(推計値)が、前年同月比51%増の191万8千人で、これまで7月として過去最高だった2014年(127万人)を64万8千人上回ったと発表した。これまでの単月の最高記録だった15年4月の176万5千人も上回っている。1~7月の累計も過去最高のペース。政府目標の年間1800万人の突破も視界に入ってきた。
今年1月から7月までの訪日外客数の累計は早くも1000万人を突破し、約1106万人となった。過去最高の訪日客数だった昨年の同時期が約753万人で、今年は、昨年の記録を46・9%も上回るハイペースで伸びている。このままのペースで増加すると、政府目標の年間1800万人は軽くクリア。2000万人の大台に手が届きそうな勢いだ。
JNTOでは、「夏の旅行シーズンに向けた訪日プロモーションが需要を喚起。航空路線の拡大、クルーズ船の大幅な寄港増加、ボーイスカウトの世界大会の開催、近年の査証免除や要件緩和、昨年10月からの消費税免税制度の拡充による買い物需要の拡大などが増加要因となった」と分析している。
市場別では、中国が、前年同月の2倍を超える57万7千人と、全市場を通じて単月最高を記録。台湾、香港、インドネシアも単月として過去最高を記録した。その他の市場では、韓国、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインの15市場が、いずれも二桁の伸びを見せ、7月として過去最高を更新した。
8月は、東アジア市場からの大型クルーズ船の寄港、MERSにより運休・減便されていた日韓航空路線の運航再開などが、夏休みシーズン後半の送客拡大に貢献する見込み。昨年8月の111万人を大きく上回り、8月としての過去最高の訪日客数となる可能性が高くなっている。
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