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最低賃金改定目安額 全国平均25円引き上げ 使用者側 「合理的根拠示すべき」

各地の引き上げ額の目安と現在の最低賃金額(単位:円)

中央最低賃金審議会はこのほど、平成29年度地域別最低賃金額改定の目安について、塩崎恭久厚生労働大臣(当時)に答申した。今年度の目安が示した引き上げ額の全国加重平均は25円となった。各都道府県の引き上げ額の目安は、都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて提示。Aランク(東京、千葉など6都府県)は26円、Bランク(京都、山梨など11府県)は25円、Cランク(群馬、徳島など14道県)は24円、Dランク(福島、沖縄など16県)は22円となった。

今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見なども踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定する。

審議会に先立ち開催された目安に関する小委員会(中央最低賃金審議会の下部組織)では、労使双方の意見に大きな隔たりがあることから、最終的には公益委員による見解が示されることになり、その見解が審議会の答申となった。

中小企業の景況感は、今年に入ってから緩やかな改善傾向にあるものの、その動きは大企業に比べて鈍く、休廃業や解散する企業数が過去最高になったことに加え、人手不足の影響が強まっており、先行きの不透明感は依然として強い。このため、同小委員会では使用者側委員から、「最低賃金の大幅な引き上げには、影響を受けやすい中小零細企業に対する効果的な生産性向上などの支援策の実施・拡充が不可欠であるが、政府の施策の十分な成果が見られないまま最低賃金の大幅な引き上げだけが先行して実施されてきたのが現状」と指摘。「今年度も、合理的な根拠を示さないまま、最低賃金の大幅な引き上げ目安を提示することとなれば、目安制度、ひいては最低賃金の決定プロセス自体が成り立たなくなるのではないかと危惧している」とこれまでの議論の進め方に懸念を示した。