~第3回~地域うまいもんマルシェ
各地商工会議所を通じて集まった逸品を、週替わりで東京・秋葉原の食のテーマパーク「日本百貨店しょくひんかん」で販売する「地域うまいもんマルシェ」が開催中だ。店舗で販売された人気商品の「こだわり」に迫る。
地域資源を最大限活用
小山商工会議所(栃木県)では平成20年から、まちの活性化を図ろうと、同県が全国総生産量の約9割を誇る「かんぴょう」を使用した商品開発に着手。かんぴょうは、低カロリーなうえに食物繊維やカルシウム、カリウムなど、現代人に不足しがちな栄養素を豊富に含んだ食品だ。しかし、生産者の高齢化や、消費低迷などの問題を抱えており、この状況を打開したいと立ち上がったのが、農商工連携を推進していた大森武男会頭(当時、担当副会頭)であった。
大森会頭は、「かんぴょう開発委員会」を立ち上げ、かんぴょうの原料「夕顔の実」を粉末化し、同県産の小麦粉「イワイノダイチ」に練り込んだ「かんぴょううどん」を開発。もちもち感とつるつるとした食感が特徴の自慢の逸品だ。新しいヘルシーフードとして注目され、人気の商品となった。事業化後の展示会・販売会への出店は同所の大関幸秀理事が担当。現在は同市内の有限会社大地などが販売を担っている。
また、ブースには社会福祉法人パステルの、桑を使ったクッキーやうどんなども並んだ。かつて養蚕業が盛んだった同市。生産が大変なことと、輸入品にシェアを奪われ、養蚕農家は激減した。しかし、桑は健康食品として注目を集めている食材で、この伝統産業を守るため、施設を利用している障がい者らが六次産業化と自立を目指して努力を続けている。人材もまた、大切な地域資源なのだ。
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