日本商工会議所は17日、中小企業・小規模事業者を対象に、消費税率引上げに伴う価格転嫁対策を示した小冊子「ケースで考える消費税率引上げ対策」を発行した。冊子では、消費税率引上げ対策について代表的な6つの業種(小売、飲食、情報通信、建設、製造小売、製造)ごとに事例を交え、分かりやすく解説。価格表示・設定、売場の見直し、顧客対応、新商品開発、資金繰り、納税資金の確保、適用税率、請負契約書作成にあたってのポイント、指導・勧告事例、消費税転嫁対策特別措置法の内容など、中小企業が直面している諸問題を網羅し、その解決に役立ててもらう。
さらに、理解しづらい消費税率引上げの経営への影響と対策の全体像も提示。自社の体制整備や具体的な取り組みに生かせるようチェックリストも用意した。
現在、全国の商工会議所では、「消費税転嫁対策相談窓口」を設置し、弁護士、税理士、中小企業診断士などさまざまな分野の専門家と連携を図りながら、消費税転嫁対策特別措置法などの周知・相談を実施中。日商は、初版として約50万部を発行し、全国の商工会議所に設置されている「消費税転嫁対策相談窓口」でも無償配布する。
価格戦略やコスト見直し、資金繰りなど価格転嫁に資する経営力強化支援に取り組んでいる各地商工会議所でも、冊子を活用したセミナーなどを順次開催していく。
冊子はA5版で35ページ。日商ホームページでも公開し、活用を呼び掛ける。
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