日本商工会議所と全国各地の111カ所の商工会議所が連携して実施しているジョブ・カード制度を推進する事業(厚生労働省委託事業)を通じて採用された正社員が5万人を突破した。平成20年度にスタートした同事業は、職業訓練を実施した企業だけでなく、正社員とした採用された元訓練生からも高く評価されている。
ジョブ・カード制度の職業訓練は、①キャリア・プラン、②職務経歴、③職業能力証明(免許・資格、学習歴・訓練歴、訓練成果・実務成果)の3種類のシート(A4判)で構成される「ジョブ・カード」を応募書類として活用し、OJT(実習)とOff‐JT(座学など)を効果的に組み合わせて実施。有能な人材を育成・確保したい企業と正社員の経験が少ない求職者とのマッチングを促進している。
職業訓練を実施する企業では、訓練期間を通じて訓練生の適性や能力などを判断し、正社員として継続雇用できるため、採用時のミスマッチを軽減できることに加え、一定の要件を満たす場合は、終了後に国から助成金が支給されることから、コスト負担の軽減を図れるなどのメリットがある。職業訓練を実施した企業からは、「ミスマッチのない採用ができた」「社員の定着率の向上につながった」「職業訓練の実施は初めてで不安だったが、商工会議所の支援があったので助かった」「社内での人材育成の体系を構築できた」などの声が寄せられている。
日商では、ジョブ・カード制度の職業訓練をさらに普及させるため、各地商工会議所の協力を得ながら、職業訓練を実施して訓練生を正規雇用した企業の事例をホームページhttp://www.jc-center.jpで紹介している。
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