2020年9月9日(水) 会場:徳川美術館(愛知県名古屋市)
日本YEGが綱領に掲げる「国際人としての教養を高める」ことを目的に、国際社会の共通ルールとマナー、世界を魅了する日本文化の魅力を学ぶ講座を開催した。海外でビジネス交流した際に“自国文化を語れる”ように、各分野から最高峰の講師を招き、講演や体験型講座で学んだ。本事業はコロナ禍で一度開催を延期していたが、感染症対策に最大限留意しながら、現地会場とweb会場のハイブリッド方式にすることで、会場に足を運ぶことができない人でも参加できるよう運営した。本事業は全三部で構成した。
第一部 「国際ビジネスのチャンスをつかむ!」〜世界共通のルールとマナー・日本と世界の異文化理解〜
マナーの基礎知識を学ぶ
第一部では、担当委員会である国際ビジネス委員会の木村麻子委員長(香川・高松YEG)が講師を務めた。世界各国との国際交流パーティー、式典などに招かれた際の立ち居振る舞いや装い、世界の要人を迎えた食事会や国際会議を開催する際の配慮するべき点、日本と世界の文化の違いなど、世界中の人と接する“国際人”として知るべき基礎知識である、「プロトコール」(国際儀礼)と「エチケット・マナー」との違いや、「ドレスコード」など国際的なビジネス・シーンにおける作法を学んだ。
第二部 「最高峰の講師たちによるパネルディスカッション」 〜自国(日本)を語れる真の国際人・教養人へ 世界のトップ経営者を魅了する「武士道」の本質と継承の極意〜
日本文化に総合的に触れる
世界の多くの国では、子どもの頃から自国の文化を学んでいる。その結果、多くの人がアイデンティティーを持って国際社会の中で活躍、国際交流パーティーなどでは、互いの国の文化や価値観を紹介し合い、コミュニケーションを取る場面も見られる。
一方、日本では、自国文化を語れる人はそう多くないだろう。しかし、グーグルやスティーブ・ジョブズなど、世界のトップ企業や経営者が行う幹部教育や研修などでは、会社経営に日本文化(生活・たしなみ・武道など)を取り入れるなど、ビジネスに生かしていることはあまり知られていない。
そこで第二部では、世界が認める日本文化を代表して茶道・華道・香道・武道などの分野で、数百年の歴史を持つ家元など5人の講師とのパネルディスカッションを実施。日本文化の本質と魅力を総合的に学び、日本文化の強みを生かした新たなビジネスアイデアやチャンスをつかむための新たな気付きを得ることができた。
第三部 「実際に文化を見る・文化に触れる」
体験型講座で伝統文化への理解を深める
現地会場の参加者を3グループに分け、わが国の伝統文化である香道や武道などに肌で触れ、感じることができる体験型講座を開講。限られた時間の中ではあったが、日本文化への理解をより深めることができ、「通常ではなかなかできない貴重な体験ができてよかった」「もっと長く体験してみたい」など、参加者から大変好評だった。
木村国際ビジネス委員長は、「日本が誇る‶ほんもの〟の伝統を世界へ発信することや、次世代へとつなぐということは、普遍的に数十年・数百年の間、同じものを引き継いでいくことではなく、その時代に合わせて改良を重ねていくということであり、『初代が作ったものの中には創造ということも含まれる。次代を担うものはその創造という行為も引き継いでいく』という言葉に伝統を守るという大きな使命を感じる。」と話す。
講師紹介
礼法:小笠原流 小笠原清基様(弓術・旧馬術) 三十一世宗家嫡男
剣術:柳生新陰流 柳生耕一様 二十二世宗家
華道:古流理恩会 宇田川理翁様 十一代家元
茶道:江戸千家 川上新柳様 十代家元嫡男
香道:志野流 蜂谷宗苾様 二十世家元嫡男
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