日本商工会議所は9月30日、商工会議所LOBO(早期景気観測)の9月調査結果を発表した。9月の全産業合計の業況DIは8月から2・5ポイント好転のマイナス56・5となった。
調査結果では、新型コロナウイルスの影響により、巣ごもり消費が拡大する中、ネット通販やデリバリーを活用する消費者の増加も追い風となり、飲食料品の売れ行きが堅調だった。また、自動車関連で、経済活動をいち早く再開した中国向けの生産が持ち直しつつあるほか、建設業では台風などの災害復旧を含む公共工事の下支えが続く。一方、消費者のマインド低下や観光需要の低迷から、飲食・宿泊をはじめ関連産業の経営は依然厳しく、コロナ対策のコスト増を指摘する声も聞かれる。
中小企業の景況感は持ち直しに向けた動きが見られるものの、力強さを欠く状況が続いている。
先行き見通しDIは、9月から12・5ポイント好転のマイナス44・0だった。コロナ禍の影響長期化により、売り上げ回復の見通しが立たない中、助成金などの政策効果が剥落した後の急激な業績悪化を懸念する経営者も多く、先行きの不透明感から慎重な見方が続いている。一方、政府による旅行喚起策の東京追加や、順次開始される飲食業支援策による需要喚起への強い期待感がうかがえるほか、欧米向けを含む自動車関連、5G向けなど半導体関連の持ち直しを期待する声も聞かれた。
調査期間は9月11~17日。全国336商工会議所の会員企業2088社から回答を得た。
最新号を紙面で読める!