◆平成27年度政府予算案の閣議決定について
安倍政権が進める地方創生と財政健全化の両立実現に強い意欲を示す予算案となった。予算額は過去最大となるものの、自由度の高い交付金で「地方版総合戦略」の策定や「しごとづくり」を支援する一方、国債発行額を大幅に抑え、2015年度の基礎的財政収支(PB)半減目標達成に目途をつけた点などを評価したい。
小規模事業者への販路開拓支援、ものづくり・サービス産業の革新、創業・第二創業の強化、地方創生に不可欠な地域資源のブランド化など、地域経済を支える中小・小規模企業を応援するメニューが用意された。加えて、海外展開の支援、研究機関などの連携、インターンシップの充実など、地方の中核となる中堅・中小企業への支援がパッケージとして打ち出されたことを評価する。また、観光立国の推進や強い農林水産業の実現も地域を挙げて取り組むべき施策であり、成果が望まれる。
一方、毎年1兆円規模で増加する社会保障費については、高齢世代に偏る給付構造を見直し、子育て支援の充実など全世代型の社会保障への転換を始める一歩となったが、未だ十分とは言えない。消費税率10%への引上げ延期による税収減を踏まえ、さらなる重点化・効率化を徹底されたい。
政府におかれては、先にまとめた平成26年度補正予算案と本予算案を早期に成立させ、15カ月予算として間断なく執行することで、デフレ経済から成長経済への流れを確実なものとしていただきたい。商工会議所としても、中小企業の活力強化と地域の再生・創生に全力を挙げて取り組む所存である。(1月14日)
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