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感染拡大防止と社会経済活動両立が基本戦略 中小対策費(経産省分)は1117億円 令和3年度政府予算案

政府はこのほど令和3年度予算案を閣議決定した。中小企業関係では、本予算案に先立って閣議決定された令和2年度第3次補正予算案と合わせて、「事業継続や事業再構築の後押し」「事業承継・引き継ぎ・再生などの支援」「生産性向上による成長促進」「経営の下支え、事業環境の整備」「災害からの復旧・復興、強靭化」などに取り組むこととしている。特集では、地域・中小企業・小規模事業者関係の政府予算案の概要を紹介する。

基本的な課題認識と対応の方向性

○コロナの影響により、大きな打撃を受けた中小企業などの事業継続や経営転換などを支援するとともに、事業承継や生産性の向上といった構造的な問題に対応することが喫緊の課題。

○第3次補正予算案および当初予算案を合わせて15カ月予算として、①「事業継続や事業再構築の後押し」、②「事業承継・引き継ぎ・再生などの支援」、③「生産性向上による成長促進」に取り組み、コロナ危機の克服および危機を契機とした構造転換による低成長からの脱却を図る。

○加えて、④「経営の下支え、事業環境の整備」、⑤「災害からの復旧・復興、強靱化」にも粘り強く取り組む。

※以下の太字の支援措置は、対応する主な措置を例示したもの。

1.事業継続や事業再構築の後押し

○新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編またはこれらを通じた規模の拡大などの事業の再構築に取り組む中小企業などを支援する補助金を新設。

○民間実質無利子融資を年度末まで延長するとともに、中小企業などの経営改善などの取り組みを支援するための信用保証制度や日本政策金融公庫などの融資制度を創設・拡充する。

(補正)中小企業等事業再構築促進事業【1兆1485億円<R2・3次補正>】

・事業再構築補助金を創設し、事業再構築に挑戦する中小企業(中堅企業)に対して最大6000万円(8000万円)を補助。中堅企業への成長を目指す中小企業やグローバル展開を目指す中堅企業に対しては、上限を1 億円に引き上げ成長を強力に支援。

(補正)中小企業等の資金繰り支援【8391億円<R2・3次補正>】

・民間金融機関を通じた実質無利子・無担保融資を令和3年3月まで延長。また、中小企業の経営改善などを支援するために新設する信用保証制度や事業再生を支援する信用保証制度の保証料を大幅に軽減するとともに、日本公庫による業態転換などの設備投資や事業再生などの融資制度について、適用金利を引き下げる。

2.事業承継・引き継ぎ・再生などの支援

○経営者の高齢化が進む中、事業承継は喫緊の課題。事業承継・引き継ぎを総合的に支援する体制を整備し、プッシュ型の支援に転換。

○事業承継・引き継ぎを契機とした経営革新に挑戦する中小企業を後押しするため、事業承継・引き継ぎ補助金を措置し、承継などを機縁とした成長促進を強力に支援。

○コロナ危機により中小企業再生支援協議会に対する相談が急増、中小企業などの再生計画策定の要望に十分に応じられるよう体制を拡充する。

(補正)(当初)事業承継総合支援事業【95・0億円(75・1億円)の内数/56・6億円の内数<R2・3次補正>】

○事業引継ぎ支援センターを「事業承継・引継ぎ支援センター」へ発展的に改組し、事業承継に関する総合的な支援を実施。

(補正)(当初)事業承継・世代交代集中支援事業【16・2億円(新規)/56・6億円の内数<R2・3次補正>】

○M&A時の専門家活用費用や事業承継・事業引継ぎを契機とした設備投資などを補助する事業承継・引き継ぎ補助金を措置。

(税)中小企業の経営資源集約化に関する税制【新設】

○M&A後のリスクに備える準備金、設備投資減税、雇用確保を促す税制措置の三つの措置を一体で講じ、経営資源の集約化を推進。

(補正)(当初)中小企業再生支援事業【95・0億円(75・1億円)の内数/30・0億円<R2・3次補正>】

○中小企業再生支援協議会によるコロナ危機の影響を受けた中小企業などの再生計画の策定支援など。

3.生産性向上による成長促進

○中小企業などが感染の拡大を抑えながらポストコロナに対応したビジネスモデルへの転換などを実現し、生産性の向上を図るための支援を継続的に実施する。

○研究開発などを支援し、技術力に秀でた中小企業のビジネス展開を促進するとともに、今後の海外展開で重要となる越境ECなどを活用し、時代に応じた海外進出を支援。

○デジタルを活用した地域企業・産業の競争力強化と、若者を中心とした人材の地方移動支援などを実施。

○政府の中小企業向け支援サイトであるミラサポplusの拡充なども実施。

(補正)中小企業生産性革命推進事業【2300億円<R2・3次補正>】※R1補正でも3600億円を措置。

・設備投資、販路開拓、ITの導入を補助するなど、中小企業の生産性向上に資する継続的な支援を実施。

(当初)戦略的基盤技術高度化・連携支援事業(サポイン事業)【109・0億円(131・2億円)】

・ものづくり基盤技術に関する研究開発支援(3年間最大9750万円)。

(当初)JAPANブランド育成支援等事業【8・0億円(10・0億円)】

・中小企業による越境ECやクラウドファンディングを活用した海外展開、コロナ危機を契機とした新事業展開を図る取り組みを支援。

○地域未来デジタル・人材投資促進事業【11・7億円(新規)】

・地域未来牽引(けんいん)企業などを中心とした地域経済を牽引する企業のデジタル化を支援し、地域における高生産性・高付加価値企業の強化・創出を行うとともに、若者人材の地域企業への移動を支援。

4.経営の下支え、事業環境の整備

(補正)(当初)中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援【40・9億円(42・4億円)/9・8億円<R2・3次補正>】

(当初)小規模事業者対策推進等事業【53・2億円(59・2億円)】

(補正)○GoTo商店街事業【30・0億円<R2・3次補正>】

(当初)○地域の持続的発展のための中小商業者等の機能活性化事業【5・5億円(新規)】

(当初)中小企業取引対策事業【9・8億円(9・8億円)】

5.災害からの復旧・復興、事前の備え

(予備)(補正)なりわい再建支援事業【275・7億円<R2・予備費>/30・0億円<R2・3次補正>】

(補正)なりわい再建資金利子補給事業【0・5億円<R2・3次補正>】

(予備)(補正)被災小規模事業者再建事業【113・5億円<R2・予備費>/11・4億円<R2・3次補正>】

(補正)中小企業強靱化対策事業【中小機構運営費交付金177・3億円(175・5億円)の内数】

・中小企業の自然災害などに対する事前対策を促進するため、「強靱化支援人材」を中小企業基盤整備機構の地域本部に配置し、相談体制を整備。