糸魚川商工会議所(新潟県)は2020年12月10~11日、結婚35年を迎えた県内在住の夫婦を対象に、その節目を祝う「翡翠(ひすい)婚式」を盛り込んだ1泊2日のモニターツアーを糸魚川市内で実施した。ヒスイの聖地をアピールする同市の新たな観光資源として翡翠婚式を広め、観光誘客を図るのが狙い。応募11組から抽選で選ばれた5組が参加し、翡翠婚式やヒスイ関連の博物館見学、リゾート列車への乗車などを楽しんだ。
糸魚川市のヒスイは縄文時代から産出・加工され、幸福や繁栄の象徴として珍重されてきた。また、出雲大社の主祭神「大国主命(おおくにぬしのみこと)」が、ヒスイを持ち越の国(新潟県南西部)を治めた奴奈川姫(ぬながわひめ)に魅了され求婚する愛の物語が伝えられている。
同所はこれらを観光資源として地域活性化を図る取り組みを長年進めており、その中で、結婚35年の節目を祝う翡翠婚式に着目。19年から日本商工会議所の支援事業「地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」を活用し、県、市、観光協会と連携して旅行商品化を目指してきた。
同ツアーでは、初日に日本庭園が見どころの玉翠園で翡翠婚式を実施。参加者は夫婦で感謝の手紙を交換し、変わらない愛を誓う誓約書へ署名した。参加者を代表して手紙を音読した小坂功さん・晴子さん夫妻は感極まって涙し、参加者らの涙を誘った。
その後も参加者は、石の博物館の見学やリゾート列車「えちごトキめきリゾート雪月花」への乗車、宿泊先での翡翠婚特別メニューなど、ヒスイづくしの旅を堪能した。アンケートでは、「互いを見つめ直す良い機会。ほかの人にも勧めたい」「幸せな気持ちになった」などの感想が寄せられた。
同所は「金婚式・銀婚式と並んで翡翠婚式を根付かせたい。将来は、インバウンド向けの旅行商品としても開発したい」と意気込みを見せる。
同ツアーの好評を受け、6月5~6日には翡翠婚ツアー第1回を開催、1月中に募集を始める。2月にはプロモーション動画も公開する予定だ。