吉川 正明(よしかわ・まさあき)
2021年度日本YEG会長(沼津YEG所属)
会長所信
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)は、世界中にさまざまな影響をおよぼしました。日本でも2020年3月以降、外出自粛要請や緊急事態宣言、3密の回避や新しい生活様式の推奨など、私たちの日常生活はこの新型コロナウイルスの影響で一変しました。経済的ダメージを受けた全国の中小企業の数も計り知れません。
このような中、これからの中小企業の再建のカギを握るのは、間違いなく「若さ」と「行動力」を備え、日々地域経済発展のために活躍している全国各地のYEGの存在であります。日本YEGは、そんな地元で活躍する単会を支え、貢献していくことが一番の務めであると考えております。そのためにも、「交流と研鑽(けんさん)の機会の提供」と「有益な情報発信」「全国のメンバーの生の声を取りまとめての提言活動」など、日本YEGのスケールメリットを生かしたさまざまな活動を通じて皆さまに貢献し、共に成長できる組織を目指してまいります。
また2018年度、日本YEGでは、今後5年にわたる日本YEGのひとつの指標として、「日本YEG中期ビジョン」を策定しました。「礎―ISHIZUE―~全ては単会の未来のために~」のスローガンとともに、日本YEGの全ての活動が「全国の単会の成長のため」にあるという考えの下、以下の五つの行動指針を掲げました。
日本YEG中期ビジョン
【交流】 全ての単会との交流を図り、地域を超えた単会同士の懸け橋となる
【研鑽】 全てのYEGに資質向上と研鑽の機会を提供し、単会の成長に貢献する
【事業】 商工会議所活動への理解を深め、単会活動の一助となる魅力ある事業を追求する
【情報】 単会活動に役立つ情報を収集し、確実かつ適切に提供する
【信頼】 YEGの存在価値を広く世の中に発信し、単会活動を後押しするYEGブランドを確立する
21年度では、この中期ビジョンを軸に置き、そしてこれからの新しい時代、withコロナ時代を共に乗り越えていくために、「FOR ALL YEG ~成長への貢献、地域と共に、ワクワクする未来を~」というスローガンを掲げさせていただきました。
単会の成長とは、会員自身の「スキルアップ」、会員企業の「業績向上」、そして会員が拠点を置く「地域の発展」であると考えます。日本YEGが全国の連合会組織として、この「単会の成長」にどれだけ貢献できるか、どれだけ明るい未来を創り上げられるか、ということが我々に課された使命だと思っております。
中期ビジョンを掲げて4年目を迎える今年度、改めて「全国の単会の成長のため」になり、そして全国のYEGメンバーが、それぞれの地域で、「YEGに入会していて良かった」と思える活動をしてまいります。
今回の新型コロナウイルス問題は、多くの中小企業が経営悪化に苦しむ異常な事態となってはおりますが、一方で新時代に向けた改革のチャンスでもあります。私たちYEGがその改革の先導者として行動し、さまざまな新しい活動、新しい常識をつくり上げていくことが求められます。全国415単会、約3万3000人のメンバーと共に、「ワクワクする未来」をつくっていきましょう。
1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
吉川会長に聞きました! YEG活動・展開とその未来
▼プロフィールを教えてください。
会計事務所を母体とした経営コンサルティング会社を経営しています。本社は静岡県沼津市で、その他に静岡市、浜松市にも支社があり、最近では東京やシンガポールにも事務所を設けていますが、あくまで静岡県の中小企業のお客さまメインとした地域密着型企業です。スタッフは112人在籍し、静岡県で一番大きな会計事務所となりました。このほか複数の関連会社で行政書士業務、相続手続き、相続対策コンサルティング、ファイナンシャルプランニング、M&A、ITコンサルティングなどの業務を行っています。
▼沼津YEGによる政策提言活動で意識していることは?
政策提言書を作成し提出して終わるのではなく、その提言内容について自ら動くことが大切だと考えます。現在沼津YEGでは「若者のUターン就職の促進活動」に力を入れており、高校生に職業講座を行うなど、地元企業の魅力を伝える活動をしています。
一企業に属して現場の仕事に追われる日々を過ごすだけでなく、YEGとしてさまざまな活動をすることで、個々の視野が広がって地域経済を活性化することにつながり、ひいてはそれが自社の発展にもつながるものだと思っております。
▼親会(沼津商工会議所)と連携されている事業はありますか?
親会から、地域振興事業・地域活性化事業を実施してほしいと言われることがあります。YEGの「若さ」と「フットワーク」が認められ、親会の周年事業や市政事業の担当を任されるなど、良い連携が取れています。
▼日本YEGでの経験は、単会活動や自企業の経営にどのような影響がありましたか?
地元単会の事業の質が変化したことが大きいと思います。「日本YEGの情報=全国の単会の情報」であり、集まった全国の情報を持ち帰り単会に生かせれば、単会メンバーにも良い影響を与えることができます。自企業では不在にすることも多くなりましたが、遠隔でも業務ができる仕組みを構築することができました。
▼沼津市では2019年度に全国大会が開催されましたが、どのような反響がありましたか?
親会の会員企業には毎月の常議員会で大会の経過報告を行い、親会の専務・常務・局長ともミーティングで連携してきました。行政とも良好な関係を築きながら、キャッシュレス決済の推進をはじめ、国の課題にも取り組んだ大会になりました。親会や、後援名義をいただいた経済産業省、さらには厚生労働省からも一定の評価を得たと感じています。
沼津商工会議所から吉川会長へ期待することなど
当所会員として、吉川会長や「イワサキ経営」は、税務・会計・相続などの支援はもとより、DX・業務効率化・FPコンサルティング・海外展開支援など、多岐にわたる事業を展開しており、地域の会計事務所・コンサルティング業の中核を担っています。
青年部には、2010年度に入会し、12年度からは役員を務めながら、日本YEG・関東ブロックYEG・静岡県連でも大きく貢献してもらっています。
また、19年度に沼津市で行われた全国大会では、大会会長を務め、県連・単会のメンバーをまとめて成功に導きました。当所としても大変感謝しております。今後は日本YEGをはじめとした各出向先での多くの経験を経て、沼津YEGの資質向上やブランド力強化などに努めていただくことを期待しています。
2021年度日本YEG公式サイト
2021年度の日本YEGでは「全国の単会のためになる活動」「日本YEGだからこそできる活動」にこだわって活動してまいります。
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取材:日本商工会議所青年部(日本YEG)広報★ブランディング委員会
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