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コラム石垣 2021年7月1日号 神田玲子

新型コロナウイルス感染症との闘いを通して、各国が団結して行動する機運が生まれている。そう考える理由の一つが、グローバルな法人税制ルールの合意に向けた国際的な協調の進展だ。これまでは、各国の利害が錯綜(さくそう)し、米国が非協力的だったこともあり、出口の見えない議論が続いていた。感染症の対策経費の支出による大幅な財政悪化、そしてバイデン政権が積極的な姿勢に転換したことが合意に向けた議論を後押ししたといわれる。

▼税制の国際的ルールづくりの背景には、目に余る企業の租税回避行動がある。パナマ文書の発覚、そしてスターバックスの英国でのタックスプランニングの事例は記憶に新しい。こうした計算高い企業の節税行為は、1970年代以降、資本取引の自由化によって誘発されたものだ。新自由主義の考え方に基づいた制度変更は、グローバルな資本市場を形成し、世界経済の発展に寄与したが、財源不足に悩んだ小国や途上国が法人税率の引き下げ競争に走ったのも事実である。

▼今回の取り組みの目的は、企業の租税回避行動を是正し、正当な税負担を企業に課すことだ。しかし、それだけではない。本来、法人税率は各国政府が自由に設定できる。その行為に、国際社会が一定の制限を設定するのは重大な国際社会の介入でもあるが、過度な競争を改め、公正な社会を取り戻すための試みでもある。これは、自由な競争を前提とする過去50年に及ぶ新自由主義に立脚したグローバル化の再構築を意味する。公正なグローバル競争を実現することができるのか。アフターコロナを、これまでの新自由主義の政策を刷新し、新たなグローバル化を形成するための出発点としたい。 (NIRA総合研究開発機構理事・神田玲子)

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