東京都議会議員選挙結果について
今般の東京都議会議員選挙では、これまでのコロナ対策や東京五輪への対応が大きな争点となり、都政のみならず、秋までに行われる衆議院総選挙の実質的な前哨戦としての意味合いを兼ねた注目すべき選挙戦であった。
結果として、自民党は第一党を奪還したものの想定以上に伸び悩み、自・公両党での過半数獲得には至らなかった。コロナ禍という未曽有の国難下での対応や東京五輪開催に向けた政権与党としての舵取りに一定程度の評価は得られたものと思うが、課題もまた大きいことを示した。今回の結果を謙虚に受け止め、今後の政策対応に活かしていただきたい。「都民ファーストの会」は第一党こそ維持できなかったが、よく健闘したと思う。今後、自民・公明両党とも一体となって都知事を支え、盤石な都政運営に尽力いただきたい。
今後、まずもって都政に望むのは、1年半にわたる経験を踏まえつつ、ワクチン接種拡大による、より深化したコロナ対応を行うことである。国とのより円滑な連携の下、感染の再拡大防止と経済活動の完全両立をより良い形で実現していただきたい。とりわけ、度重なる休業要請などで深刻な打撃を受けている事業者の苦境を的確に把握し、柔軟かつあらゆる手段を尽くして支援を行っていただきたい。首都経済の力強い回復なくしてわが国の回復はない。
いよいよ目前に控える東京五輪については、安心・安全の大会実施は言うまでもない。コロナ禍における大会の成功こそが、国民とともに世界に対して大きな勇気と希望を与える象徴となり、レガシーとなる。東京五輪がコロナ禍を乗り越えるための大きな弾みとなるよう、全力をもって大会運営に当たっていただきたい。 (7月5日)
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