「下町育ちの再建王」の経営指南 人は階段を上がるように成長する

人の成長や進化は、ある意味、一瞬にして起きるものです。もちろん坂道を上るように、長い年月をかけて少しずつ変わっていくものもありますが、ことさら大きな成長は、一瞬にして起きるもの。

鉄棒でいえば、それまで全く〝逆上がり〟ができなかったのに、繰り返し練習するうちに、ある瞬間、クルッと回れるようになる。「できた!」と感激した瞬間、もう『逆上がり』は自分のものになっている。これが階段を上がるということです。ここで重要となってくるのが『気づく』という力です。

人にしかられて「頭にきた!」で終わってしまうか、それとも「これがいけなかったのか、なら次回からこれを直してみよう」と思えるかどうかです。気づいた瞬間に、人は成長します。この成長プロセスは、全てのことに当てはまります。会社の経営も、スポーツも、習い事も、全て同じ。それまであった段階から『気づく』というステップを踏んで、新たな段階へと変化成長です。

ここまでの話でお分かりのように、肝心なことは「うまくいかないという事実をどう捉えるのか」ということ。

ウォルマートの創業者、サム・ウォルトンは、「私には失敗という概念はない。なぜなら失敗は諦めたときに生まれるもので、諦めなければ失敗するという概念はない」というのです。失敗は自分が成長するために何が足りないかを気づかせてくれるチャンス、『気づき』だと語っています。まさに「失敗は成長の糧」というわけです。

船井総合研究所の創始者・舩井幸雄氏が常々口にした言葉に『素直、勉強好き、プラス発想』があります。

素直とは、人から言われたことを一度受け止めること。「そうなのか」と思うことです。

人が言ったことを一方的に信じるのは「盲信」です。何でも疑うことは「盲疑」になります。大切なのは、人が言ったことを素直に一度受け止め、勉強して、研究して、納得したら受け入れる。成長するためにどう改善するべきかを考える。それがプラス発想です。

ただ、いくら頑張っても成長しない時期があります。そういうときには、一度頭を上げて周囲を見てください。時代は急激に変化しているので、勉強は必須です。その上で、大きく成長するには、「我慢の時間」を過ごさなければなりません。頑張って頑張って我慢して、我慢し切れなくなったとき、成長のときが訪れるのです。最初に書いたように、人は階段を上がるように成長するのです。

辛いこと、しんどいことが続いているとき、また、そういう人が周囲にいたら、この話を思い出してください。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

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社名:株式会社 風土

TEL:03-5423-2323

担当:髙橋

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