コラム石垣 2021年12月1日号 中山文麿

先月の8~11日、中国共産党の第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が北京で開催され、習近平国家主席の主導の下、共産党の第3回の歴史決議が採択された。第1回は建国の父の毛沢東氏が整風運動を起こして対立派を粛清し、独裁的な権力基盤を確立した。第2回は鄧小平氏が毛沢東氏の独裁体制を批判し、集団指導体制を敷くとともに経済の改革開放を進め、世界第2位の経済大国を実現した。

▼今回の6中全会で、習氏は100年にわたる共産党の奮闘と重大な成果に関し歴史を総括した。この中で習氏は中華民族の偉大な復興と中国の夢を実現できるのは自分だとして、党の核心的地位を確固たるものとし自らの権威付けを行った。

▼彼は建国100年の2049年までの奮闘目標として共同富裕を掲げ、貧富の格差解消と近代的社会主義強国の実現をうたった。従って、習氏はこれからも共産党トップの地位に就いているために、来年秋の共産党大会で3期目の総書記に就任するつもりだ。彼はそのための布石として2018年に憲法を改正し、国家主席の2期10年の定年制を廃止している。

▼ただ、習氏にはこれまで毛沢東氏や鄧小平氏に匹敵する業績がない。従って、彼は毛沢東氏さえ実現できなかった香港と台湾の本土復帰を果たせばこの2人を超えることができると考えている。香港については、昨年、99年間は中英両国の間で台湾の併合を意図して計画されていた一国二制度を反故(ほご)にして本土化を実現した。次は台湾の祖国統一であり、そのためには軍事力も辞さないと台湾に圧力を加えている。われわれは台湾の国民の過半が納得した平和的な統一であれば何ら異議を挟むつもりはないのだが……。 (政治経済社会研究所代表・中山文麿)

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