今月は私個人の話をさせてください。私は若い頃から詩が好きで、学生時代は自分でもよく書いていました。仕事をするようになってからはゆとりがなく離れていましたが、先日ある本を読んでいて、有名な詩に出合いました。ビジネス書などにもよく引用される作品ですが、改めて読んで心を動かされたので、一部抜粋して紹介します。
『青春』サミュエル・ウルマン(原題:YOUTH、訳:岡田義夫氏)
青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。
優れた創造力、逞(たくま)しき意志、炎ゆる情熱、怯懦(きょうだ)を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ。
年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。
(中略)
事に處する剛毅(ごうき)な挑戦、小児の如(ごと)く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。
人は信念と共に若く、疑惑とともに老ゆる。
人は自信と共に若く、恐怖とともに老ゆる。
(後略)
この1年半、新型コロナウイルス感染症の影響で人に会うことが激減しました。また行動規制により行動範囲も狭くなったので、現場からの新しい情報のインプットも減りました。それぞれ事情は異なっていても、多くの人が閉ざされた境遇の中で過ごしてきたと思います。
長く続いたコロナ禍の状況で、変化の少ない生活に慣れ、家族と一緒に食事を楽しむサラリーマンが増えました。人の暮らしぶりとして悪いことではないと思います。しかし、ビジネスマンとしてのアンテナを退化させてはいけません。
私は74歳です。若い頃とは違い、年相応に体の衰えはあります。そのせいでしょうか、若いときはもちろん、50代60代の脂の乗り切っている頃にこの詩を読んでも、あまり感じるものはありませんでしたが、今読むと、思うのです。16歳でも74歳でも心の在り方を青春と呼ぶとしたら、これからが勝負なんだと。
私は毎月の勉強会のために35ページのテキストを作成してきました。現場でのやり取りや人々の動き、まちの様子を自分の視点で分析して常に半年分くらいの原稿ストックがあったのですが、自粛期間中は原稿ペースが落ち、今は2~3カ月分くらいしかストックがありません。前準備完璧主義の私としては、これは危機的な状態でした。
やっと行動規制が無くなり、自由が戻ってきつつあるとき、この詩に出合ったわけです。
心の持ち方によって青春でいられるのです。残された人生の中で一番若い、今。皆さんも青春真っただ中の決断をなさったらどうでしょうか。
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