情報技術と信頼で目に見えないインフラ「健康」への架け橋を
株式会社Special Medico 代表取締役 中曽根 暁子(なかそね・きょうこ)
大切な人の「笑顔を守るために」
弊社は、主に健康診断の現場や企業へ、医師や産業医を紹介するなど、予防医学の分野で事業を行っています。「予防医学」と聞くと、多くの人は健康診断や人間ドックをイメージすると思います。幼稚園・小学校の頃は、「背が伸びた」「体重が増えた」と一喜一憂したのに、大人になって受診する「健康診断」は、楽しくない日になっている人も多いのではないでしょうか。その要因は、お酒やたばこ、ストレスなどさまざまで、気になる数値に目を覆いたくなることもあるでしょう。しかし結果を受け止め、生活習慣を改善するなど、できることはたくさんあります。健康診断だけで全ての病気が分かるわけでも、病気にならないわけでもありませんが、私が予防医学にこだわるのには理由があります。それは診察をしている医師の想いを知っているからです。医師の話を聞けば聞くほど全ての人への「予防医学」に対する意識改革が必要だと感じるようになりました。「せっかくの『健康診断』という自分と向き合う時間をもっと有意義なものにしてほしい、病気を早期に発見して、本人も周囲の人の笑顔も守りたい」私はそう考え、医療専門の職業紹介業を創業しました。
医師・産業医の紹介は、企業と医師との相性を大切にします。双方に安心してもらうためにも、今、私は「傾聴力」を学び、産業カウンセラーの資格取得に向けて勉強中です。また、通信制の大学で心理学を学び、産業医と企業の間で果たすことができる役割について考えを巡らせています。
特許に名前を付けて技術を身近に感じさせる
弊社は紹介会社でありながら、AIマッチングや技術開発、特許取得などにも取り組んでいます。それは、技術では対応できないところを大切にするために、技術でできるところは便利で快適にするべきと考えているからです。技術開発では、2021年11月時点で15の特許を取得しました。特許には技術を身近に感じてもらうため、名前をつけています。例えば「飛梅(とびうめ)の径(みち)」と聞いて、みなさんはどんな技術を想像しますか? これはURLをタップするだけで自動的に送信元へメールが飛ぶという特許です。つまり送信者「情報の持ち主」へ戻っていくこと。大宰府に左遷された菅原道真の元へ京都から飛んできた「飛梅伝説」が元になっています。
私は「健康」のように目に見えない価値を守っていくためには、「デジタルデバイド」ではなく、親しみのある「デジタルエイド」が必要だと思っています。そのためには情報技術だけではなく、文化や信頼の上に成り立った「人と人との架け橋」のようなつながりが重要で、その一翼を担いたいと考えています。
今後も医師や受診者など利用者目線を大事にした、誰もが分かりやすく利用しやすいシステム開発と、医療情報の提供に取り組んでいきたいと思っています。
会社データ
社名:株式会社Special Medico
所在地:東京都千代田区麹町2-2-22 ACN半蔵門ビル13階
電話:03-6261-1125
創業:2012年
事業概要:医師有料職業紹介業・予防医学でのスポット紹介 ・産業医紹介・医療情報・人材管理システム開発提供
【東京商工会議所】
※月刊石垣2022年1月号に掲載された記事です。
最新号を紙面で読める!